人生の大先輩の皆様から見れば、還暦なんざまだまだヒヨッコかもしれませんが、それでも六十年生きてるとねぇ、やっぱり体のほうぼうにガタがきますね。なにしろ膝がダメになっちまって、正座ができませんからね。噺家にとっちゃ、これは辛い。でも仕方ないから、今は釈台を前に置いて、あぐらをかいて高座を勤めておりますよ。
 老眼は早かったっスね。四十代の前半くらいから、老眼になり始めたと記憶してます。もともと目はいい方だったんですけどね。今は老眼鏡が手離せませんや。まぁメンテナンスしながら、だましだまし、のらりくらりと体を長持ちさせるしかありませんやな。 
週刊文春デジタル