一九六〇年代の半ばから後半にかけては東映の任侠映画が全盛期で、邦画界においては一人勝ちの状況にあった。
 そのため、他社で芽が出なかったり、人気が低落傾向にあったりする役者たちからすると、のし上がるチャンスは少なからずあった。
 今回取り上げる『懲役三兄弟』は、そうした背景を踏まえたら一段と楽しめる作品だ。 
週刊文春デジタル