三月二十二日、死者百三十人以上を出したモスクワの北西にある都市のコンサートホール襲撃事件は、ロシアでは二〇〇四年の南部ベスラン学校占拠人質事件(死者三百三十人以上)以来二十年ぶりの凄惨な大型テロとなった。
 犯行声明を出したのは、「イスラム国」(IS)の一派で、アフガニスタンなどで活動する「イスラム国ホラサン州」(IS-K)とされる。彼らは、「四人の戦士が自動小銃や爆弾で実行し、キリスト教徒三百人以上を殺傷した」などと作戦をSNSで公表した。 
週刊文春デジタル