「対面したら、温かい布団に寝かせてあげて、『ゆっくり休んで。お祖父ちゃんお祖母ちゃんももう少ししたらそっちに行くから、それまで待っててね』と声をかけてあげたいです」
 能登豪雨から十日が経過した十月一日の昼。安否不明者の一人だった石川県輪島市の中学三年生の喜三翼音(きそはのん)さん(14)に関する無情な知らせを受け、祖父の誠志(さとし)さん(63)は、気丈に声を絞り出した。 
週刊文春デジタル