一月十三日、日本テレビで「欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞」が放送されたよ。
 この番組は今回でなんと百回目。まさかこんなに長く続くとは考えてもいなかった。八十三歳になったぼくにまだ番組をやらせてくれる人がいるのだから、何とも嬉しいというか、困惑するというか、不思議な気持ちでいるんだ。
 ただ、ぼくは「百回」といった数字には、あんまり興味はなくてさ。
 これまで「欽ドン」や「欽どこ」などたくさんのテレビをやってきたけれど、どんな番組も視聴率が下がり始めると、すぐにやめて別の番組作りをしてきた。というのも、ぼくが人生の信条としているのは「勝つか、逃げるか」。勝っている時に思いっきり新しいことや楽しそうなことをやって、負ける前にサッと身を引いてきたんだ。
 番組作りを山登りに例えると、楽しいのは頂上に向かって登っているとき。 
週刊文春デジタル