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The VOCALOID Times 座談会 2021年3月号-Part1-
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The VOCALOID Times 座談会 2021年3月号-Part1-

2021-04-05 13:00
    座談会 2021年3月号 Part1 2021年3月26日発行  発行者  エージェントNo.118

    【1】はじめに

    2021年に入り3回目の座談会を迎えることが出来ました。今回も座談会を迎えるにあたり、準備をかなりの期間、設け、準備を行ってきました。この座談会が無事行えることは、非常に感慨深い物があります。先月の繰り返しになりますが、読み物として、お楽しみください。


    【2】座談会メンバー紹介
    • キュレーター(記載時:無名太文字表記)
    • N/Gさん
    • 山葵さん
    • 毬栗楓さん
    • 4696さん
    【3】座談会その1 自己紹介

    本日は座談会にご参加いただき、ありがとうございます。ボカロタイムズは掲載開始から数多くの楽曲を紹介してきました。その数多くの楽曲の中から、ボカロが好きなメンバーをお呼びし、掲載楽曲の中から今月のイチオシ楽曲を決定する座談会を今月も開催します。今回で3回目の開催となりました。今回も有意義な座談会を迎え入れられればと思っております。ではここで座談会のメンバーにお一人ずつ自己紹介をしていただきます。その際、推しのボカロ曲をご用意いただいたので、自己紹介と合わせて、推しボカロ曲について語っていただき、今回の座談会への意気込みを語っていただけると幸いです。それではまず、N/Gさんお願いします。

    N/G:はい、ご紹介いただきました<N/Gと申します。座談会は今回で2回目の参加になります。前回も参加した方は繰り返しになってしまいますが、ボカロ曲は中学生くらいの時に同級生が話をしてて、その時は聞いてなかったのですが、高校に入ったくらいから聞き始めて、今に至ります。ニコニコのマイリストが一時期、999になって、ボカロ曲だけで登録オーバーになっちゃって、一時期マイリスは2つありました。それくらい毎日ずっとボカロ曲を聴いてました。今は整理して1つのマイリスにしています。クリエイターとしては艦これとヘタリアのクロスオーバーのMMD動画を投稿したり、その後は自作PCなどの工作動画を作って投稿していました。最近は投稿できてないです…。

     今回自己紹介ボカロ曲に選んだ曲はrevさん投稿のUTAUの松田っぽいよでカバーしたぽわぽわPさんの楽曲【アストロノーツ】です。この曲自体は、いろんなボカロやUTAUでカバーされたり、アレンジされている楽曲ですが、このカバーの【アストロノーツ】は、ほとんどアレンジがないんです。松田っぽいよは、低音が特徴的だったり、力強さがあるのですが、このカバーはすごく静かな感じで、松田っぽいよのカバーではあまり例を見ないような感じがします。ずっと静かな感じなのですが、できれば最後まで聴いてほしいです!というのも、「最後まで聞くべき」タグが付いているので、僕と同じことを考えている人がいるんだなーと思いながら選びました。聴いていると原曲をそのまま使ったような伴奏だと思うんですが、松田っぽいよに合わせた調声がされていて、とてもおすすめの一曲です。今日はよろしくお願いします。

    ありがとうございました。続きまして、山葵さんよろしくお願いします。

    山葵:はい、ご紹介ありがとうございます。初めて座談会に参加します。山葵と申します。元々ボカロとの出会いは中学校一年生くらいの時に、友達がPSPの「初音ミク -Project DIVA- extend」を遊んでいて、「なにそれ面白そう!」って思ったのがきっかけです。その時に見た【裏表ラバーズ】のExtremeが、すごい譜面で「なんじゃこりゃ!?人間にできるのか」と思うほど、衝撃的だったのは今でも覚えています。中学生の頃に出会ってから時を経て、高校時代に自分のバイト代でマジカルミライ2014のライブを見に行って完璧に沼に落ちました。

     今回自己紹介ボカロ曲に選んだ曲は2013年11月2日投稿の【花咲か少女】という楽曲です。この曲は簡単に言うと、「みんなのうた」系で、子供が聞くような曲。【ドレミファロンド】などと似た系統の雰囲気の曲です。言葉遣いやMVがとても綺麗で、初めてこの曲を聴いたときは、再生数が少ない、自分しか知らない神曲に出会えたと思いました。和の雰囲気のある曲で、MVの雰囲気・音の感じが素敵なので、ぜひ聴いてもらえると嬉しいです。今日は語彙力との戦いになるかもしれませんが、いろんなお話ができればと思っています。よろしくお願いします。

    ありがとうございました。続きまして、楓さんよろしくお願いします。

    :みなさんはじめまして。自分がボカロに初めて出会ったのはたぶん小学校低学年のころ、親戚の膝の上で初めてニコニコ動画を観た時です。その時からずっとミクさんがずっと好きでいろんな曲を聞いています。

     今回自己紹介ボカロ曲に選んだ曲は傘村トータさんの最新投稿作品の【2周年メドレー】です。3周年は既に超えているのですが、2周年メドレーを投稿されたので、その曲を選んでみました。自分は傘村トータさんがとても好きで、この動画は、2年間に投稿した曲すべてをまとめた動画になっています。トータさんのいろんな曲が詰まっているので9分と長いですが、この中から好きな曲に出会えるんじゃないかな、と思って選んでみました。トータさんは、最新の2ndアルバムを発売されたので、そちらも聴いてみてほしいです。よろしくお願いします。

    ありがとうございました。続きまして、4696兎さんよろしくお願いします。

    4696:どうも、お久しぶりです。4696兎です。前回はいつからボカロにハマったといったエピソードは喋ってないと思うのですが、2007年頃に聴いた、今では国家と言われている【みくみくにしてあげる♪】がハマるきっかけだったと思います。その時代はカバー曲などが投稿されてましたが、日々ボカロを聞いてきて、今のボカロシーンは変わってきたとも思うし、面白いとも思うし、たくさんジャンルがあると思う今日この頃です。

     そんな中から今回自己紹介ボカロ曲に選んだ曲は東北きりたんの【当日の朝】という曲です。この曲、正確には曲じゃないんですよね。「ポエトリーリーディング」といって、詩を読んでいくというような感じです。つまり芸術的なものです。自分の声で歌詞を表現していくという中で、VOICEROIDやVOCALOIDを使った表現の仕方がある、ということを知ってもらいたい気持ちで選んでみました。ボカロ曲飽きたなー、みたいな時に、こういった系統の違うものを聞いてみるのも面白いと思って選んでみました。では本日はよろしくお願いします。

    ありがとうございました。以上4名とキュレーター、計5名で今月の推し曲を決定する座談会を行っていきます。本日はみなさん、どうぞよろしくお願いします。

     


    【4】座談会その2 新着枠より推し曲決定

     ではここからは2月中、多岐にわたってご紹介してきたボカロタイムズの掲載数は約110曲となりました。この中から今月の推し曲として、新着枠から1曲、発掘枠から1曲、計2曲を決めていきます。まずは新着から座談会を行っていきます。それぞれ皆さんには1曲、新着の中から選んでいただきました。まずは選んだ楽曲のご紹介をしていただき『何故その楽曲を選んだのか』という理由をお願いいたします。皆さんにお聞きした後にフリートークをしていただき、最終的にどの楽曲をイチ推し曲にすべきかを決定していきたいと思います。それでは、まず初めに山葵さんお願いします。

    山葵:はい、かしこまりました。私が新着枠で推させていただくのが【Candy Girl】です。

    山葵:さっき自己紹介で言い忘れたんですけど、ボカロにはまった同時期に音楽ゲームにもはまり始めて、今でもずっとやっています。この曲は音楽ゲームが大好きな人にとっては、めちゃめちゃ、よだれが出るくらいの音作りをしている曲だと感じて、ビビッときて選曲しました。勿論、曲は「王道的な可愛い系のボカロエレクトロってジャンル」になるんですけれども、2分20秒辺りかな?一気に激しめのドロップだったりとか、ハードコア的な要素が入るんですよねぇ。もう…その部分がね…「大好物です!ありがとうございますっ!!」って、音ゲーマーにとっては、脳汁が出るくらい好きなポイントでしたね。元々、プロセカネクストの第3回の応募曲なので、やっぱり音ゲーに合うような作り方をしているなーって言うのも感じています。こういう可愛くてポップなのは、私も大好きなので推させていただきました。以上です。

    ありがとうございます。他の皆さんのお話も聞いたうえで、皆さんどういう曲が良いかを聞いてイチ推しを決めていこうと思います。では続きまして、楓さん。お願いします。

    :【桜色リーベ】を選びました。

    :理由としては、卒業とか、学生生活の部分があったりして…。自分が送れなかったような学生生活…甘酸っぱい感じがいいなって言うのを感じたって言うのと、中盤にあるピアノソロがすごい素敵だなって。自分、ピアノとかすごい好きなんです。そのピアノソロが個人的にドーンって来るような感じで「あっ、これめっちゃ好き・・・」って思ったのが選んだ理由です。語彙力ないので以上です、ごめんなさい!

    ありがとうございます。それでは続きまして、4696さんお願いします。

    4696:今回、俺が選んだのは【有夜無夜】という曲です。

    4696:選んだ理由は、まぁ…俺の性格知っている人ならわかると思いますけど、『歌詞』ですね。韻の踏み方がすごく上手い。はまっていく歌詞の作り方って言うのがすごく上手くて、なかなかに、音の作り方も上手い。ボカロ曲で韻を踏ませるって言うのは難しいところでもあるんですけど、その踏ませ方がすごく綺麗で、違和感なく聞けるかなと思います。聞いていて、飽きないのも、なかなかに面白いし、聞いてて面白いな、というところがあると思いますので、皆さんどうぞ一度は聞いてみていただいて、コメントなり、いいね押してあげてください。以上です、はい。

    ありがとうございます。最後にN/Gさんお願いします。

    N/G:はい。今回私が選んだ曲は【桜夏秋冬】です。

    N/G:他にも【君を忘れる前に】とか【ミルクティーと時計の針】【蚕の冠】【シークシークシーク】なんかも候補に上がってたんですよ。特に【蚕の冠】は、ほんと推したかった。自分の出身地が群馬県で、近くに富岡製糸工場とかがあって、幼いころから蚕のことはよく知っていました。その蚕側からの目線というのが面白いなと思っていたんだけど、それを押しのけるくらい個人的にいいなって思った曲が、この【桜夏秋冬】でした。4696さんの挙げた【有夜無夜】は、ラップのような歌い方の部分があるんだけど、この【桜夏秋冬】の歌詞は、そのほとんどが単語なんですよ。文章として繋がっているところがほとんどなくて、Bメロみたいなところだけ、文章になっている。

     タイトルからもわかるように、季節の移り変わりを単語を並べて表現しているのかなーって思ったんですね。例えば季節が春になるころって「春の香りするな」とか「日差しが暖かいな」とか五感で気づいていくじゃないですか。そんな季節の移り変わりを、この単語1つ1つで感じさせてくれるような、歌詞の作り方がすごくいいなって思ったんですよ。歌い出しが「夜・空・黒・緑」なんですけど、「夜」や「空」「色」といった、皆がイメージしやすいもので、人それぞれが感じる季節の移り変わりを感じさせてくれるような曲なんじゃないかなと思いました。サビは「走って」や「笑って」といった形式の単語が並んでいて、自分なりの妄想がめちゃくちゃ広がるんです。最後の方のサビに「別れて」とか、そういうイメージの歌詞が結構続くんですけど、なんて言えばいいかな…春ってやっぱり出会いと別れの季節って言うじゃないですか。でも、そこの歌詞に名詞がないので、好きな人と別れちゃうのか、それとも大切な友達と別れちゃうのか、自分がやりたいことが上手くいかなかったのか、そういう色々なものに例えられるような歌詞でいいなと思いました。

     タイトルも普通だったら春夏秋冬って言うじゃないですか。でもこれは【桜夏秋冬】、春のところだけ、その季節を象徴する植物をもってきて、春への思いをタイトルからも感じられる。こういう言葉を使って連想させてくれるところがすごくいい。曲もピアノオンリーなんだけど、僕も『傘村トータ』さんが好きなのでそういうのも相まって、すごくいいなと思った曲です。長くなりましたが以上です。

    はい、ありがとうございます。皆さんのお話を伺ったうえで、自分以外の方が選んだ曲についての印象を改めてお聞きしたいと思います。山葵さんいかがですか?

    山葵:他の方がピックした3曲全部候補に入っていたので「あ~だろうな~」みたいなことを思いながら聞いていました。【桜夏秋冬】は私も本当に好きで、結構ラストの方まで候補に残っていました。本当にピアノ単体で聞いてもとてもいい曲ですし…

    N/G:わかる

    山葵:言葉の選び方って言うのが本当に綺麗で、詩的な要素もありつつも、ちゃんと曲としても綺麗に聞けるような感覚になっているのがいいなーって感じます。【桜色リーベ】もね、歌詞がとっても甘いんだな~。すごいね、がっつり青春のことを書いている。甘いから人によっては「ちょっと甘すぎて」っていう方もいるとは思うんですけど、この甘さから逆にね、切なさが生まれるんだろうなって言うのを個人的には感じています。4696さんのピックアップした【有夜無夜】は『てにをは』さんと同じ系譜を感じた曲ですね。『てにをは』さん自体も、結構言葉遊びとか韻ふみって言うのを得意としているPさんなので…

    4696:わかるっ…!わかるよぉ…!!(笑)

    山葵:その韻ふみって言うのを作りつつも、ちょっとビターなシティポップさもあって、それも好きだったんで、皆さんの選曲を見て、めちゃめちゃ「やべぇ、揺らいでる」っていう風になってます(笑)

    いいですねぇ。素晴らしいと思いますね。ありがとうございます。すごくいいと思います。では同じ質問ですけど楓さん、いかがですか?

    :自分は【桜夏秋冬】のピアノがすごく好きで、最後の2,3曲まで残ってました。このピアノが本当に綺麗で、ピアノとミクさんだけでここまで表現できてすごく好きです。「やっぱり選ばれるよなぁ」って思いました。4696さんの選んだ【有夜無夜】は「かっこいい」っていう感じと「ダーク」とは違うかもしれないけど…あの感じがすごくいいなと思います。またこの曲も候補に残っていて「みんな同じの選ぶんだ」っていうのと、やっぱり歌詞が好きです。山葵さんの選んだ【Candy Girl】は「可愛くて本当に好き!」っていう、語彙力がない状態なんだけど、本当に聞いててかわいいし、ほんと好きだなーって感じです。語彙力なくてごめんなさい!

    いやいやいや。そんなことないですよ。そういう感情が表に出たときに「とにかく好きです!それだけです!」っていう人はいるので、全然問題ないですよ。本当に素晴らしいと思います。ありがとうございました。では4696さんいかがですか??

    4696:そうですね、全曲聞いて…さっきN/Gさんが挙げてた【蚕の冠】も候補に残ってたんですけど「これN/Gさん好きだろうな」って思って(笑)

    一同:(笑)

    N/G:わかってしまったか(笑)

    4696:まぁ…でも、歌詞専とすると【有夜無夜】かなって思って選ばせてもらいました。【桜夏秋冬】と【桜色リーベ】は、曲としてすごくいいんだけど、考え方としては、ボカロを初めて聞く人には難しいかなと思った次第であります。ボカロをかじったことある人には、受け入れられるけど…というのを少し加味したところはある。全体的には聞いてて、すごく耳なじみが良くて楽しい曲であるし、【桜夏秋冬】にしてみれば、ピアノのみというのはなかなかにチャレンジャーだなと思います。歌詞も意味合いを取っていくという作り方をしているんで、考えることができて結構好きです。【桜色リーベ】はほんと青春曲。そして【Candy Girl】は音ゲー。ほんと音ゲーって感じ。

    山葵:頭、空っぽにして聞くようなもん。

    4696:これは逆に言うと、ボカロ初心者が聞いても聞きやすいかなと思う。音ゲーのリズムってほんとノリやすいっていうところがある。音ゲーって音に譜面を合わせないといけないから、人がノリやすい音を作るとなると、これはなかなかに「すげー新人さんがいるもんだな」と(笑)。新人というか新着、すげー曲作ってきたなと思います。なので推すとなると、俺は【Candy Girl】推すかな。

    なるほど、ありがとうございます。ではN/Gさんいかがですか?

    N/G:やっぱり【Candy Girl】はいいですよね。エレクトロポップというか…そこから始まって、山葵さんも言ってくれたように途中からね、ピアノからハードコア、でエレクトロポップに戻るっていうね。これはみんな大好き、まじで(笑)

    一同:(笑)

    N/G:あれはね、やばいと思う、正直言って。【有夜無夜】はミュージックビデオの作り方がすごいなと思った。

    4696:あーあれ、すごいよ。綺麗で。

    N/G:あれすごい、ほんと。ラップのような歌い方と韻を踏んでるって言うのも相まって、街を歩きながら一人で悩み考えてるっていうのが、MVに上手く表れている作品なんですよね。最初から最後まで見てもらうとわかるんですけど、最初は夜の街並みから始まっているんですよ。最後は明けてきて、歌詞の考えもだんだん前向きになっていくんですよね。時間の経過で表している。これはほんとMV作ってる人すげーなって言うのと、歌詞の書き方が本当に面白い。看板とか標識とか信号機とか、そういう街並みの背景に紛れ込むような歌詞の書き方で、一瞬「歌詞ないのかな?」って思っちゃったんですよ。でもよくみると「あるじゃん!この書き方面白いな」って思わせてくれた曲だった。

    4696:これのすごいところは、女の子がずーーーっと歩いてるだけなんだよね。変わるのは背景だけ。

    N/G:そうそうそう!日が昇ってくる、ただそれだけなんだけど、でもそれだけでこの曲がどういう方向性なのかがわかるんだよね。それがすごくいいなって思いました。【桜色リーベ】は作者の『タケノコ少年』さんの曲で【なんだっけ!?】っていう曲があるんですけど、それがめちゃくちゃ好きで、今でも通勤中に聞いてたりするんですよ。そんな中、【桜色リーベ】聞いて「この人すげーな」って思ったのが、この2曲ともポップな感じで、結構元気な曲なんですよね。【桜色リーベ】は春の卒業みたいな、学生生活ちょっとキュンキュンした様な感じなんだけど、その元気さの雰囲気って言うのかな、方向性が違う。同じ「元気」のはずなのに曲によって違ったものを作れる。すごいボカロPだなって思いました。

    ありがとうございました。まだちょっとお時間があるのでこちらから質問するのではなく、皆さんが話を聞いている中で「もうちょっとここの話をしたいよ」っていうおかわり的な感じでトークしていただければと思います。

    山葵:2月って一番寒い時期だからなのか、結構、悲しい曲が多かったなーって感じています。

    :うん。

    山葵:ピックアップ曲もなんか、ちょっと哀愁があるような感覚っていうんですかね。そういう傾向があった気がしますね。

    N/G:確かに。

    4696:2月の曲に関しては「歌がいきなり始まる曲」が多かったイメージ。

    山葵:確かに確かに。

    4696:ニコニコとかYoutubeっていう、音楽媒体の「みせ方・作り方」が、歌詞をいきなりポンとだして、そこからタイトルを出すって言うのが増えてきた印象がある。

    山葵:そうですね。『 YOASOBI 』さんの【夜に駆ける】だったりとかも、冒頭から歌っていたりしますし。今って、サブスクとか色々なところで曲が聞けるんで、ファーストインパクトでダンッてやらないとちゃんと聞いてもらえなくなってるんでしょうね。

    N/G:【うっせぇわ】もそうだしね。初っ端すごいからね。

    4696:歌詞から始まるか、冒頭10秒で、すごい音を作るかって感じ。期待を持たせる作り方。人間って10秒は聞けるのよ、どんな曲でも。10秒聞いて、合うあわないが出てくる。そこに、いかに興味を持たせるかっていう作り方があって、今回選ばれた4曲って…冒頭がしっかり作りこまれているって言うのが、すごい。ちゃんと興味が引けるように作られてるのがすごく上手いと思う。

    :確かに。

    山葵:私とお三方の選んだ曲の違いって、私は音を中心にピックしたんですけど、お三方は歌詞とか韻の踏み方とかで選んでるなーって感じましたね。

    4696:俺は基本的に歌詞専で、歌詞が載ってる場合は先に歌詞を読んじゃうタイプ。「この言葉面白いな、これが音楽になるとどういう面白さがあるかな?」って言うのを見る。今回の【有夜無夜】は歌詞載ってなかったんだけど、パッと聞いた瞬間の韻踏みがすごく面白くて「これって聞き続けたらどうなるんだろう?」っていう期待感がすごくあった。で、聞いてみたら「わ、すごい、すき」ってなった(笑)

    N/G:なるほどねぇ。

    山葵:私も【Candy Girl】の冒頭で、ただのミクエレクトリカルみたいな感じなのかなー?って思ったら、2分20秒辺りで叩きつけられたんで「あぁ…むりぃ…これ推す…」ってなったんです(笑)

    N/G:なるほどねぇ。僕なんかは曲も重視したかったかな。一応今回、何でこんなに歌詞の話をしたかって言うと、僕にとってボカロ曲って言うのは「何か新しい曲のあり方を発見する」っていうところもあるかなと思うんですよ。例えば、ボカロ曲の一番最初のころ、流行った曲って「息継ぎができないような曲」が多くなかったですか?

    山葵:そうですね。

    :うん。

    N/G:そういう曲がすごく新しかったと思うんですよ、ボカロ曲として。だから、ああいう速度が速い、BPMが速い曲ってのは、ボカロ曲だって思われがちだけど…。ある意味で、今までの曲の概念みたいなのをぶち壊してくるのも、ボカロ曲なんじゃないかなと思う。【桜夏秋冬】に関しては、歌詞自体が単語ばかりで形成されている。それがすごく新しいなって思ったんですよね。

    山葵:歌詞で書くような「詞」じゃなくて。文学的に書く「詩」の感覚に近いですよね。

    N/G:そうなんですよ!それをボカロに持ってくる。こういうのってBPM高めでバーッて吐かせたりするんだけど、そうじゃなくてピアノで、人が普通に歌える速度でしっかりのせてくる。さっき、4696さんが「初めてボカロを聞く方に~」って話をしてたけれど、これも十分、初めて聞く方にも聞いてもらえる曲だと思うんですよ。こういうのも、ボカロ曲としてあるんだって言うのは思ってほしい。

    山葵:確かにミク…というかボーカロイドの曲って大体エレクトリカルとかEDM系が多いって思われがちなところがあるんで、間口というか、世界を広げるっていうことを考えると、確かにN/Gさんの【桜夏秋冬】はすごい調声も聞きやすいですし、ピアノもスッて入って来ますよね。楓さんの【桜色リーベ】もめちゃめちゃ入りやすい曲だと思います。

    N/G:そうですね。【桜色リーベ】もいいですねぇ。

    皆様、大変心苦しいのですがお時間がやってまいりました。

    山葵:あぁ!もうこれ決まらないよ!!

    決断をしなければならないお時間になってしまいました。前回、前々回を踏襲しまして、ここはですね、自分の曲を推したい気持ちは非常にあると思います。ですが、今までの話を聞いたうえで「自分の曲以外で推すとしたらどの曲か」という質問をしていきます。その中で投票数が多かったものをイチ推し曲とさせていただきます。では、山葵さんいかがでしょうか。

    山葵:3曲全部好きなので全部推したいところなんですが、1曲に絞ります!N/Gさんの【桜夏秋冬】にします!めちゃめちゃいい曲なんで。

    わかりました。では楓ちゃんいかがですか?

    :自分もN/Gさんの【桜夏秋冬】です。ピアノがほんと素敵っていう理由で。

    なるほど、ありがとうございます。では4696さんいかがですか?

    4696:俺はそうね、さっきも言った通り【Candy Girl】を推そうかな。

    わかりました。ありがとうございます。N/Gさんいかがですか?

    N/G:自分以外のでしょう?

    一同:(笑)

    4696:そうだよ。(笑)

    N/G:僕はねぇ【Candy Girl】かな!

    一同:(笑)

    4696:割れたー!割れよった!

    なるほど。わかりました。ありがとうございます。割れたんですけど、何でこういうことをしたかというと、自分の票は自分として「コレ」って推したい気持ちがあるので、まずは外した状態で「どうかな?」というのを聞いてみました。

    山葵:なるほど。

    その上で今回の票をみると、N/Gさんの楽曲に2票入っていて、N/Gさん的に自分の票を入れないのであればというコメントもあったので…今回新着枠に関しては【桜夏秋冬】が妥当だろうという気持ちがあるのですが、皆さんいかがでしょうか。

    山葵:問題ないです。

    :同じく問題ないです。

    4696:そこ悩むところだよね。確かに【桜夏秋冬】も【Candy Girl】もいい曲で選ばれるのはわかってる。難しいところではあるんだけど、たぶん「推す」となるとよ、「推す!」となると!!「推す!!」となると!!!そうね、【桜夏秋冬】に行くかな。っていうところに行く、俺は!もうそこは、うん。

    一同:(笑)

    本当に私も皆さんに毎回お願いしてますけど、推していただいている曲はどれも素晴らしいと思っています。ここで選ばれたイチ推し楽曲は来月4月以降に掲載されるタイムズの巻末に毎回載るものです。

    4696:そうなんだよね。【Candy Girl】推したいんだけど、巻末に掲載されることを考えると【桜夏秋冬】がしっくりくるんだよね。

    と、言うこともありますので、今回は苦渋の決断ではありますが【桜夏秋冬】を推させていただきたいと思います。いかがでしょうか。

    山葵:大丈夫でーす。

    では、今月のイチ推し曲「新着」としては【桜夏秋冬】に決定いたしました。皆さんありがとうございました。

    一同:ありがとうございました。



    Part1はここまでとなります。
    引き続きPart2(発掘、これからのボカロ未来編)をお楽しみください。





    提供:2021年3月26日 キュレーター&執筆者 エージェントNO.118
    次回配信予定
    • 2024/11/26
      The VOCALOID Times #202
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