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内向き議論の遠因
2012-10-30 10:12日本と関わってそろそろ30年になりますが、未だに納得できない言葉があります。それは農耕民族と島国根性です。13年前、組織営業を助けるシステムを営業する際、よく言われたのは「我々が農耕民族だから・・・」です。この場合、その続きは間違いなく「そんなシステムは要らない」ですので言い始めたらもう結論が分かります。当時、根性と勘に頼る個人営業を、ネットに繋がる携帯電話システムで組織的営業に変えることは、全く新しい試みでした。理解できない、もしくは理解できてもチャレンジしたくない方々が居るのは普通のことですが、私が嫌だったのはその言い訳でした。「農耕民族だ」は構いません。「必要がない」も構いません。しかし、この二者を繋げるところがとても強引且つ傲慢に感じました。言っている本人は正々堂々でしたが、提案に来ている私も農耕民族であることを忘れています。「お前の考えは納得できない。帰ってくれ」と言うならば何の -
早く言う勇気
2012-10-16 11:32尖閣問題で大規模デモが発生した翌日の夜、私は上海のレストランで日系企業の現地トップと会食しながら対応をアドバイスしていました。その時、家内が慌てて電話をしてきました。なんと、息子が日本語で先生にショート・メールで「バカ野郎」と送り付けたため、先生がカンカンに怒っているとのことでした。息子は間違って送ったと言っていたのですが、先生はある理由を挙げて「わざと送った」と言っているらしいのです。「子供が自ら説明し謝るべきだ」と一瞬考えたのですが、反日デモの雰囲気を考えるとすぐ先生に電話することにしました。「たけお君が私の携帯にメールを送った。気付かないでいると、彼はわざと私に電話をかけてきた。電話に出られなかったが、着信を見て彼だと気づき、その時、彼は私の顔を見て笑った。後で日本人生徒に聞いて人をバカにする言葉だと知った。」「たけお君は間違って送ったと言うが、その後わざと電話をかけて見るように催促 -
本物のグローバル化と偽のグローバル化の違い
2012-10-04 10:54キヤノン中国の設立15周年記念パーティーに招待されました。中国アジアを統括するキヤノン中国のトップの小澤さんと友人なので、個人として招待されました。招待客の多くは地元の代理店の方々で中国人が多かったです。丹羽さんも御手洗さんも来られた盛大なパーティーですが、感心したのは小澤さんのスピーチでした。「私は中国が好きで過ごしてみてもっと長く住みたいと思いました。しかし、私は御手洗会長と2017年までに100億ドルを売る約束をしました。これを達成できない場合、首になる。皆さん、どうか私が好きな中国に居られるように、どんどんオーダーをください。」発音こそ標準ではなくどこかの田舎の伯父さんの方言に聞こえるのですが、スピーチ自体は流暢でユーモアに溢れていたため、会場から笑い声と拍手が湧きあがりました。「15年経ち、その間、中国のGDPが6倍になり、日中貿易額が5倍になりましたが、キヤノン中国の売上は14
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