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どうなる「スコットランド独立」投票|THE STANDARD JOURNAL
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どうなる「スコットランド独立」投票|THE STANDARD JOURNAL

2014-09-18 13:15





    おくやまです。

    唐突ですが、実はわたしは現在イギリスにおりまして、
    そこからこの文章を書いております。

    こちらには、ほぼ一週間滞在しておりますが、
    もはや言うまでもなく、一番ホットな話題は「スコットランド独立」。
    この投票が18日(日本時間で19日未明)
    に行なわれます。

    皆さんがこれを読んでいる頃にはおそらく投票が始まっていて、
    もしかすると、結果が出ているかもしれません。

    投票直前になってロンドン側のメディアで目立ってきたのは、
    「独立したら経済的なリスクがあって大変だよ!」
    というもの。

    たとえばNHSという国民健康保険や年金制度、
    それに税制に至るまで、
    安全保障のテーマと同じように、そこで問題になってくるのは、
    ズバリ「庶民への生活への影響」。

    身も蓋もなく言い切ってしまうと、要するに、
    「あなたのお財布に響きますよ!」ということです。

    現時点での私の(直感的な)認識では、
    1995年に行われた、カナダにおけるケベックの
    分離独立の是非を問う投票と同様に、
    (私はこの件も、当時、現地で体験しています。)
    おそらく、僅差で「独立反対」に収まるのではないか?
    と考えております。

    ※ですが、これについては、正直言いまして、
    「当たるも八卦当たらぬも八卦」です。

    -:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-

    日本国内では、あまり報じられていないようですが、
    「スコットランド独立に関する安全保障の問題」は
    私の研究テーマに直結している、ということもあり、
    滞在中もこの話題が常に気になっておりました。

    こちらの英国メディアでは、核兵器の帰属問題が絡んでいるので、
    かなり重要視された形で報道されております。

    そこで展開されている議論のポイントを説明します。
    独立賛成派主張は、基本的に以下の通りです。

    ●やっぱり核兵器(※潜水艦発射弾道ミサイル:トライデント)はダメ

    ●独立後、核弾頭を5年以内に排除。
    (英国に配備されている核弾頭の基地はスコットランドにある)

    ●スコットランド独立党のサモンド党首は先週の演説の中で、
     「核武装をすることによる政治的な影響力を保つという目的のために、
      膨大な費用(欧州で最大)を掛けてまでこれを維持する必要はない」
      と明言。

    ●この核弾頭の維持に掛かる莫大な費用は育児保育などに使える。

    ●現地の軍関連施設の雇用が失われる可能性があるので、
     スコットランド国防軍を創設して雇用維持を図る。

    そして、このポイントに対して、
    独立反対派(ロンドン政府側)の言い分として主なものは以下のものです。

    ■仮に独立が実際に達成されると、
     このところますます不安定になっているこの世界情勢では、
     確実に安全保障上のリスクが増えますよ!

    ■なんといっても、基地での「雇用」、これが大量に失われてしまいますよ!

    ■ロンドンの政治家、加えて、NATOに出向している英國軍人たちは
     「スコットランド人の考え方はアマチュアだ」と言ってますけど、
     スコットランドの安全保障の件、本当に大丈夫なのですか!

    ということです。

    これらを見てもわかるように、
    結局のところ、スコットランド独立に関する安全保障の問題は、
    とどのつまりは雇用や財政問題が
    その大半を占めることになるわけです。

    つまり、表面上はスコットランドの「名誉」の問題でもあるのですが、
    突き詰めていくと「金の問題」でもあるのです。

    -:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-:-

    今回、イギリスの識者の多くがメディアなどで
    「頭では独立反対、ハートでは独立賛成」
    と述べていたことが特に印象的でした。

    とは言いつつも実のところは、
    心情的には独立もいいが、生活に直接響くとなるとちょっとな・・・
    というのが、本音としてかなり大きい部分を占めている様子でした。

    スコットランドとイングランドが
    連合王国として成立してから300年が経ちました。
    これが、「もしかすると本当に分裂するのか?!」
    という歴史的な瞬間を、
    われわれは目の当たりすることになるのかもしれません。

    ( おくやま )




    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
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