みなさん、こんにちは
和田です。

昨日のThe Standard Journal「 アメリカ通信」で
アメリカのテレビブランドVIZIOに言及しましたが、
驚いたとか、そう思ったとか、そして批判まで
メールで意見を頂いたのでブロマガでも書くこととしました。





私の家のテレビは子供の頃から日本製です。
これはほとんどの国民が同じだと思います。
自分のカネで買うようになってからはずっとソニーです。

中学、高校の頃には日本メーカーがアメリカのテレビ市場を独占どころか、
アメリカのテレビ会社がほぼなくなったというニュースを見ました。
戦争で負けたアメリカの製造業を日本が駆逐したのです。
自動車は政治マターでもあるので、家電は自由競争。
自由競争なら日本は負けない。
そう誇らしく思ってきました。

家電製品で海外ものを買うときはJBLのスピーカーやLINNのアンプなど
マニアックなオーディオものを選ぶときくらいだろうと思っていました。

それが2000年頃からです。
アメリカに行くとSamsungの大きな看板なんかを目にするようになり、
またたく間にホテルのテレビはSamsungかLGの韓国製に
切り替わっていきました。

私は海外旅行に行ったらおみやげ屋よりも
スーパーや量販店を見るのが好きですが、
SHARPやSONYの方が価格が高く、韓国製は安かったのが
だんだん同価格になっていき、機能では逆転されるようになりました。

日本のメーカー擁護論者は、為替や人件費のせいにしていましたが、
実際日本の家電メーカーのすべての利益を足しても
Samsung一社に敵わなくなりました。

このニュース見た時には、さすがに日本の経営者、
ホワイトカラーが単純に負けているのだ、と受け入れがっかりしました。
しかも国内の経済評論家たちも為替や
人件費のせいにしている状態は続いていたのです。
批判すべき言論や評論でさえこんなレベルなのかと二重にがっかりしました。

そこでアメリカ・カリフォルニア州でできたテレビブランドのVIZIOの話です。
昨年全米で売上はサムソンについで二位、販売数は一位なのです。
まだ、ブランドとして弱いので安いが高級品に見える装備だったり、
スマートテレビ機能を入れたりしているのです。

この会社が2002年に創業したベンチャーであり、
社員数はたった90人だというもの驚かせました。
ファブレスでほとんど台湾で作っています。
この点はAppleのiPhoneのようですね。
デザインと売り方だけに特化しているのです。
こんなことが可能なのです。

日本のテレビメーカーは外国の見比べると映像は綺麗ですし、
技術は確かにあると思います。でもたいして売れていません。

VIZIOの売り方はウォルマートやコストコにダンボールに入って並んでいます。
家電店での既存テレビブランドとガチで勝負しないのです。
韓国企業になら仕方ないどころかアメリカのベンチャーに敗北です。

日本の家電メーカーの社員は万単位だと思いますが、
わずか90人のVIZIOに負けているのは戦略のなさです。
まったく違う戦略で着々とシェアをとっているのです。
知名度が上がればそのうち高級品を販売する可能性もあります。

日本は技術はあっても、それを活かす戦略がないのです。
もう一つ加えると危機感がもありません。

奥山さんが『戦略の階層』を薦めているのはこの点なのです。
日本人は技術があるから大丈夫だとか言っていては始まらない。
戦艦大和やゼロ戦をつくる技術があっても
戦略がなければ惨敗してしまったのです。

企業なら売上をたて、利益を確保し
会社を継続繁栄させていくことが重要です。
敗北しているという事実を見ず、
為替や人件費の差にしている限り逆転はありません。

日本のメーカーの世界観は
日本製しか買わない日本人の住む日本一国しか見てません。
ガラケーでもそうでしたが、その日本は人口減なのです。
世界で売っていくことを考えねばなりません。

Samsungを誉めたくないですが、しょぼい韓国マーケットを無視して
アメリカが主戦場でここで勝つしかないと決めた差は大きいですね。
4Kや8K企画を技術面で成功させても、
このままでは日本メーカーが縮小し、
みなさんの買うテレビが韓国製か台湾製しか選択肢がなくなってしまう・・・
そんな可能性は高いのではないでしょうか?

ということで、これを読んでいる方には
自分の会社や自分の人生の
『戦略の階層』を組みたたて欲しいのです。

自分の戦略の階層においての弱点は何か?
年に何度も見直し手を加えて欲しいと思います。

( 和田 )

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