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■ Is the South China Sea worth a war to anyone?
BY DOUG BANDOW
『The Japan Times 』(2015/06/28)
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おくやま です。
アメリカの大戦略として、以前から
「オフショア・バランシング」(offshore balancing)
というものを提言している人物が何人かおります。
「オフショア・バランシング」というのは、
基本的には19世紀のイギリスのように、
ユーラシア大陸から離れた位置にある大国が、
大陸内部から脅威が出てくるのを防ぐために、
自分の力ではなく、大陸内部の
2番目に力の強い国を支援することによって、
1番力の強い国を押さえ込んで、
自分の身の安全を図るというものです。
私はこのような大戦略を唱えた学者たち
(ミアシャイマー、ウォルト、レイン)の本を
何冊か翻訳しているのですが、シンクタンクの研究員の中にも
以前から特に過激なものを積極的に唱えていた人物が、
ケイトー研究所のダグ・バンドウ(Doug Bandow)
という人物です。
放送でも何度か紹介しましたが、
この人は最近の南シナ海においても、
「アメリカは中国と戦争する必要はない」
「手を引け」ということをしきりに提案しております。
この人物が記事の中で提案している注目すべきことは、
「イギリスはカリブ海から手を引いたからアメリカとその後ずっと仲良くできた」
ということをさらっと書いていることです。
このコメントの中の
「イギリス」を「アメリカ」に、
「カリブ海」を「南シナ海」に、そして
「アメリカ」を「中国」に置き換えてみると・・・
南シナ海をめぐる、
日本にとってはあまり喜ばしくない未来像が見えてきませんか?
われわれはアメリカの中でも、こういう議論をする人がいることを、
もう少し注意深く見ていく必要があります。
( おくやま )
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■-編集後記-(和田)-----------------------------------■
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内海化した者が覇権を握る。
もともとは、「地中海」を制した者がヨーロッパを制する。
「カリブ海」の英国勢力を追い出した米国は、
南北アメリカの地域覇権を固め国力をつけた。
今は、「南シナ海」の米国の勢力を中国が追いだそうとしている。
日本は尖閣もあるから東シナ海は重要だと思うが、
残念ながら南シナ海への関心が少ないし、
打つ手がなかった。
当番組ではずっと取り上げてきたが、
それにしても中国はあまりにも速く埋め立ててしまった。
地政学を学ぶと南シナ海の意味を知り、本当に怖い。
( 和田 / https://twitter.com/media_otb )
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