■German Luxury Car Brands Dominate and Look
to Extend Their Lead
By LAWRENCE ULRICH
『NY Times』(2015/07/03)
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おくやま です。
アメリカにおける日本の高級車ブランドといえば、
トヨタがレクサス、ホンダがアキュラ、
そしてニッサンがインフィニティとなります。
これらのブランドはけっこう成功しておりまして、
90年代にはかなり売上げを伸ばしておりました
ところがというか、やはり高級車のブランドといえば、
メルセデス・ベンツを始めとするドイツのもの。
このドイツ車が、高級車部門でアメリカでバカ売れし始めている
というのが今回紹介する記事の内容でした。
この記事で指摘されていて私が気になったのが、
アメリカの車雑誌の編集長の言っている言葉です。
具体的にこの彼がアメリカにおけるドイツ車の躍進を
どのように見ているかというと、
「90年代までは日本の高級ブランド車がテクノロジー面でリードしており、
ドイツ側は何もわからずにぼーっとしておりました。
ところが最近は日本側がやや方向性を見失っており、
彼らのテクノロジーも古いものに見えるようになり、
この業界の将来は日本車ではなくドイツ車に決定されつつあります」
というのです。
私がこの記事やこのコメントから気になったのは2点あります。
一つは「日本側がやや方向性を見失っている」
というコメントからもわかるように、
日本側の方向性、つまり押し出そうとしている
世界観が弱くなっているように見えるという点。
そしてもう一つは、アメリカの高級車マーケットも
熟成してきたように見えるという点です。
私が常に提唱している「戦略の階層」をご存知の方でしたら
すでにお気づきかもしれませんが、日本の得意とするテクノロジーも、
その上の世界観から出てくる「方向性」がなければ
宝の持ち腐れになってしまいます。
その方向性のなさに気づいたアメリカ人たちが
ドイツ車の魅力に気づきはじめた・・・拡大解釈かもしれませんが、
日本はやはり世界観をもっと打ち出すべきなのではないでしょうか?
( おくやま )

http://www.realist.jp/strata.html
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■-編集後記-(和田)-----------------------------------■
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日本のクルマは工業製品としてはいいんですよ。
でも好きにならないものがある。
クルマをどう捉えているかです。
洋服と同じなんですよね。
洋服って縫製とかしっかりしている服がいいわけじゃなく、
色や柄やサイズ感、すべてを見て判断するじゃないですか。
クルマはブランド化しないといけないもので
そのビジョンがない。
戦略の階層そのものですね。
世界的大企業を前に、私なんかがまあ、
こんなに偉そうに言えた身分じゃないですが、
世界観なき商品は最後はもたないですね。
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http://www.realist.jp/strata.html