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いまそこにある”クラウゼヴィッツの「摩擦」”(朝鮮半島編)|THE STANDARD JOURNAL
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いまそこにある”クラウゼヴィッツの「摩擦」”(朝鮮半島編)|THE STANDARD JOURNAL

2015-08-24 10:59
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    おくやま です。

    この週末に起こった北朝鮮と韓国の、
    国境付近での砲撃を含んだ瀬戸際外交については、
    日本のメディアでも「もしかしたら第二次朝鮮戦争勃発?!」
    ということで注目されましたが、直前になって板門店で
    軍の高官たちによる会議を開催することでひとまず収束しました。

    この件に関してはさまざまな意見があると思いますが、
    私が面白いと思ったのは韓国の大学で
    南北問題を研究している西洋人の教授の以下のような意見です。

    ===

    ●金正恩は危機を盛り上げてから一気に手を引くような、
    いわゆる「瀬戸際外交」をまだやり慣れていない。さらに加えて、
    彼がどこまで目まぐるしく入れ替わっている北朝鮮の軍や党の
    内部を掌握できているのかについても疑問がある。

    ●また、ソウル側の危機の扱い方にも懸念があり、
    韓国は、2010年の延坪島砲撃事件の後から、
    不釣合いな反応による抑止理論を採用している。
    これはつまり、北が一発撃ってきたら
    その3倍から5倍の量を撃ち返すというもの。

    ●この原則は、海の国境だけでなく、
    非武装地帯にも当てはまっているように見える。
    だからこそ北から4発の砲撃に対して
    韓国は30発以上も撃ち返したのだ。

    ●では今後の動きはどうなるのだろうか?
    両国の首脳とも安全保障会議を開いたのは当然であり、
    朴槿恵大統領は疲れた顔をして前線を視察した。
    おそらく金正恩も視察するだろう。

    ●北は8月始めの地雷事件への韓国からの謝罪要求を拒否しており、
    韓国も北の高官級協議を拒否した。
    北は48時間以内の南の宣伝スピーカーの遮断を要求しており、
    これが守られなければ、砲撃を再開するものと見られている。

    ●韓国はスピーカーを止めるつもりはないし、
    不釣合いな反応も止める気はない。
    そうなるとどこに落とし所があるのかが不明確になる。

    ●現在のところは、通常兵力の面で圧倒的に劣っている北朝鮮は、
    韓国とアメリカに対して全面戦争を仕掛け、
    国をほろぼすようなリスクをかけてくるようには見えない。

    ●ところが、ここで重要なのは、
    金正恩が自軍をどこまで掌握できているのかという点だ。
    北の軍の高官たちは南からの挑発(と彼らが感じている)に対して
    トップが生ぬるい反応しかしていないことに不満を感じており、
    勝手に積極的な行動を起こすこともありえるからだ。

    ===

    たしかに一番重要なのは上の分で最後に指摘されている、
    金正恩がどこまで軍をコントロールできているのかということ。

    われわれが往々にして忘れがちなのが、
    自分以外の相手はすべからく「一枚岩」でなく、
    内部に対立や分裂があるという事実です。

    とりわけ政権を受け継いで日も浅い金正恩は、
    クラウゼヴィッツのいう「摩擦」を北朝鮮内部に抱えているなかで、
    どのような行動を起こしてくるのかが未知数。

    もちろん今後がどのようなものになるのかは誰にも、
    さらには当の金正恩自身にもわからないと思いますが、
    国際政治におけるドロドロの「摩擦劇」がこれから半島の緊張の中で
    展開されつづけていくことだけは間違いありません。

    ( おくやま )

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    http://www.realist.jp/strata.html
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    ■-編集後記-(和田)-----------------------------------■
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    北朝鮮は100年に一度の大干ばつだ。
    朝鮮国営放送で報道されているのだ。
    田植えの稲も枯れ果てた田んぼが山とある。
    秋には飢饉になるだろう。
    そこで、金正恩の瀬戸際外交にも力が入るというものだ。

    この情報は安倍総理にも入っている。
    日本の新型気象衛星ひまわり8号はしっかり捉えている。
    安保法制を急いでいたが、間に合わない可能性もあった。
    現在17時間に及ぶ南北の会議中らしいが、今年が山だろう。

    一刻もはやく安保法案を通過させないと、
    自衛隊が朝鮮半島の在留日本人を助け出すこともできず、
    地獄絵図となってしまう。

    ちなみに、北が崩壊したが場合どうなるんだ?
    という恐れがある。
    そこは、韓国、ちゃんとあります。
    70日体制というのがあるらしいのです。
    北朝鮮人が難民となって一気に国境を超え、
    韓国になだれ込まれては韓国は崩壊し、北の道連れだ。
    軍が道路を封鎖し、学校で難民となった朝鮮人を養い、
    治めていくというもののようだ。

    ところがだ。70日間を過ぎるとプランはないのだ。
    しかも、韓国には米の備蓄がない。
    米の備蓄は日本しかないのだ。

    はい、なんだか嫌な流れになってきましたね。
    韓国の最後の切り札は日本なんです。
    70日体制とか言いながら、米すら備蓄してない。
    ぞっとするのは、70日超えたらどうすんだよ?
    ってことです。

    ( 和田 / https://twitter.com/media_otb )

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    (( 編集後記の編集後記 ))

    このトピック、明日の生放送でも・・・
    やるかも・・・(たぶんw



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    (担当:紫@管理人)
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