寿司屋に入ったら、まずは光モノかたまごだ。
天ぷら屋に入ったら、かき揚げ頼まなくちゃいけねぇ。
などなど、本当なのか嘘なのかよくわかない、食べ方のルール。
知っていると、通と思われるという事なのでしょうが、それをそのまま現代に当てはめるのは無理があったりします。以前は常識だったのかも知れませんが、今はなかなかそういう事柄を教えてくれる先輩がいないので、いい年になっても知らない(知る必要がない)のが現状です。
今回は、蕎麦の食べ方についてお話しします。
最初に言っておきます。これは私が、先輩方のアドバイスを元に「こうなんだろうな」と思った事ですので、これが一番の正解というわけではありません。
そもそも、聞く先輩によって言うことが違うのですから、結構いい加減なモノなのでしょう。第一、聞いている先輩が全部落語家ですから、どこまで信用していいかわからなくなります。
「こういうやり方がある」というぐらいに留めておいてください。
蕎麦食うなら、モリ(ザル、せいろ)に限るな
もう、この時点で困りますが、お店によって表記が違います。
ザルに乗ってなくてもザルなんて言ったりしますし、刻み海苔の有る無しで区別しているお店もあったり、多種多様です。ですから、いわるゆシンプルなアレだと思ってください。 それを食べるのが通なのです。 私は鴨南蛮が好きです。
わさびは溶くもんじゃねぇ
これは初耳な方もいるのでは? 知っているとしたら、もう通です。
蕎麦つゆにわさびを溶いて入れるのは間違い。じゃあ、わさびはどうするのか。蕎麦にちょんと乗せて食べるの が正解。 口うるさい先輩の前ではそうしていますが、普段は蕎麦つゆに溶いて入れてます。その方が私はおいしく食べられるので。
ジャブジャブ浸すバカがあるか
蕎麦つゆに対する、蕎麦のアプローチについて怒られた時です。正解は蕎麦を持ち上げた時に、下から3割ぐらいを蕎麦つゆにつけるそうです。
先ほどのアドバイスと合わせて考えると、最初に口に入ってくるのはノーマルな蕎麦にわさびが乗った状態です。 それ、美味しいのか? といつも思います。
静かに食べるんじゃねぇ
食事の基本マナーと反するようにも思えますが、音を立ててすするのが正解です。この時に、短く勢いがあることが好ましいとの事。
まあ、これに関しては、そっと食べるより美味しく感じます。たくさんの空気と一緒に蕎麦を口に入れるので、鼻に抜ける香りが増すのです。わさびの清涼感も思う存分味わえますので、おすすめです。
蕎麦とつなぎの割合だ
よく看板で『二八蕎麦』という表記を見ると思います。この2と8はつなぎが2でそば粉が8だから二八蕎麦とう名前がついたそうです。
蕎麦ってのの相場はなぁ
ダジャレ混じりに言われたのは、二八蕎麦の言われです。蕎麦が流行った当時、相場は16文だったそうです。2×8で16。だから二八蕎麦だそうです。ここまで来ると、どっちが本当でもいいです。
自慢しちまったら粋じゃねぇんだ
ここまでうんちくを垂れるようでは、かっこよくはありません。知っているのを、ちょっと匂わす程度が本当のかっこよさでしょう。お寿司屋さんなどで、若者に寿司の食べ方を大声でレクチャーしている人は、間違いなく野暮です。
最後に、私がよく行く老舗の蕎麦屋さんにも「上手な食べ方」を聞いてみました。諸説あるようですが、「自分が美味しいと思える食べ方で食べてもらうのが一番」だそうです。
これが本当だと、私も思います。