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『Innocent Eyes』 16〜「 レコーディング」という幸福な時間について (2)
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『Innocent Eyes』 16〜「 レコーディング」という幸福な時間について (2)

2018-03-25 19:00

    中2、つまり14才の頃、ピアノを触っているうちに音の謎がとけてピアノを弾けるようになってから、僕は自分の音楽人生を意識し始めた。

    その頃大好きだったのは、伊勢正三というアーティストだった。

    伊勢正三が当時組んでいたユニット、「風」のアルバムを繰り返し聴きながら、様々な楽器が同時に奏でる音の魅力に胸を震わせていた僕は、伊勢正三だけではなく、アレンジを担当していた瀬尾一三、松任谷正隆、といった人達の才能や音楽性にも惹かれていった。

    作曲はその頃すでに始めていたからわかるけれど、あまり理解していない、アレンジや楽器の演奏について、だんだん興味が膨らんでいく。

    やがて松任谷正隆をきっかけに、松任谷由実のアルバムを聴くようになり、ふとしたきっかけで知ったポールサイモンのアルバムを聴き始めると、アレンジや楽器演奏への興味はさらに強くなっていった。

    そしてその興味は、自然と『レコーディング』という作業にも向かっていった。

    一つの素晴らしい作品を仕上げるために、様々な演奏をレコーディングし、音を重ねていく・・・。

    何て魅力的な作業だろう!

    中学生の僕は、部屋でひとり大好きなアルバムを聴きながら、その音の向こう側にある『レコーディング』という未知の作業に想いを募らせていった。
     
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