テレビ番組でToshlを見かけることが多くなって気づくのは、番組を通して伝わってくるToshlの表情や人間性が、実際の本人そのままであることだ。

 そこはYOSHIKIも同じで、二人とも「嘘のないピュアな人間性」ゆえなのだが、YOSHIKIの場合は「YOSHIKIの中には7人のYOSHIKIがいる」とそばにいた頃の僕が感じたように、とても多面的な要素があるため、テレビ番組で見ることのできるYOSHIKIは、YOSHIKIの一部であるところが、Toshlとは少し違う。

 わかりやすく言えば、生のライブや映画『WE ARE X』む含めてすべてを観れば、多面的なYOSHIKIをだいたい網羅できるのだけれど、テレビ番組だけとなると、YOSHIKIの一部の表情しか見ることができない。

 一方で、Toshlの場合は、その人間性のほとんどをテレビ番組で確認することができる。

 この違いは、どちらもそれぞれの性格や特性からくるもので、僕などはそういった違いと、それぞれの表情がどちらも魅力的なところを、幸せな気持ちで眺めていたりする。



 
 
 ところで見方を変えると、Toshlの人間性のほとんどをテレビ番組で確認することができる、というところに、Toshlの人としての魅力が集約されている。

 その魅力とは、「素直に人を受け入れる姿勢」だ。
 
 TOSHIがまだ20代だった頃の記憶を辿ると、メンバーや僕などが話しかけている時、TOSHIは、若干うつむき加減でキョトンとした愛らしい表情で、たまに相槌をうつ程度、ひたすら静かに話を聞き、なるほど、と納得すると、特に自分の意見を言うわけでもなく、話が終わる・・・ということが多かった。
 
 聞くときはとても素直で誠実、きちんと理解して受けとめてくれる。