「ファンタジー・オン・アイス2019」で実現したToshlと羽生結弦のコラボレーションがとても高い評価を得ているが、コラボレーションを成功させたのが、2人の圧倒的な才能とコラレボレーションへの真剣さ、そしてお互いの深いリスペクトと感動にあったことは、おそらく間違いないだろう。
 
 それに、素晴らしい評価が生まれるプロジェクトには、大抵の場合、どこか安定した納得感がある。
 
 初めて知った内容なのに、どこかそれが当たり前のように感じる、いわば既視感のようなものがある。
 
 Toshlと羽生結弦という、どちらも世界的な評価を得ている2人の組み合わせには、どこかToshlとYOSHIKIという不動の組み合わせにも似た、美しい組み合わせの妙がある。
 
 実際のコラボレーションを観てわかる通り、スケールの大きさと全くブレない安定感、そして見る人聴く人を宇宙空間まで連れて行ってくれるような美しいエネルギーが、Toshlの歌声と羽生結弦の2人どちらにも共通した魅力だからこそ、その時間を共有した人はとても自然に深い感動を得たのだろうと思う。
  
 ところで、このような美しいコラボレーションを生み出すToshlの歌の魅力には、目に見えないある大きな理由が隠されている。
 
 それがToshlと、そしてX JAPANが世界に通用する理由でもあるので、その理由について少し触れてみたい。
 
 
 
 1987年、TOSHIとYOSHIKIに加えて、やっとPATAとTAIJI、それにHIDEという強力な5人のメンバーとなり、精力的にライブを行っていた頃、Xの情報を見聞きするたびに、僕は「五感」という言葉を使って自分達の音楽性を表現しようとすることに興味を抱いた。
 
 五感を刺激する・・・ 五感を切り裂く・・・