これまで何度か書いてきたように、YOSHIKIは常に「何が正しいのか、自分はどうありたいのか」を自らに問いかけ、常識や普通といった価値観に捉われることなく、自分の納得する答えを見つけて生きてきた。
 
 その結果、YOSHIKIはあらゆる面でオリジナリティを発揮し、その魅力ある人間性で多くの人に愛されてきた。
 
 YOSHIKIの魅力はつまるところYOSHIKIの自分らしさ、つまり「YOSHIKIらしさ」が生み出しているのだ、と僕は思っている。
 
 
 
 今回グラミーミュージアムで行われた記者会見では、クラシカルワールドツアー「YOSHIKI CLASSICAL 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 ‘REQUIEM’(レクイエム)」の開催が発表された。
 
 リアルタイムでこの会見を観ていた僕がその発表を知った瞬間に感じたのは、何よりもやはり「YOSHIKIらしさ」だった。
 
 世界的なアーティストであるYOSHIKIが、世界的なグラミー賞の歴史を扱う資料館であるグラミー・ミュージアムで、世界中のメディアとファンが見守る中発表したのは、東京ガーデンシアターから始まり、ロンドン・ロイヤルアルバートホール、ロサンゼルス・ドルビーシアター、ニューヨーク・カーネギーホールといった世界的に権威のある会場で公演を展開するクラシカルワールドツアーだ。
 
 日本人として初、ロンドン・ロサンゼルス・ニューヨークの3会場でクラシカル・コンサートを行うという快挙は、YOSHIKIが世界的なアーティストである証左であり、また過去のクラシカルコンサートへの高い評価を裏付けるものだ。

 そのような高い志による挑戦を生み出しているのが、母を亡くした悲しみと母への深い想いであること・・・それがまさに「YOSHIKIらしさ」だと僕は感じたのだった。
 
 昨年9月に行われたクラシカル・コンサートで、YOSHIKIは天国に旅立った母への想いを胸に素晴らしい演奏をした。

 特にショパンのプレリュードではその想いがそのままピアノに託されていて、観る人の心を強く震わせ涙を誘った。
 
 あれから1年後、今秋に世界のステージで奏でられるのは、YOSHIKIが母との別れをそのまま作品にした「REQUIEM」だ。

 そう考えると、昨年の今頃、母を亡くしたばかりでとても辛い気持ちを抱えていたYOSHIKIが、2年間という長い時間をかけ、母への想いを大切な作品にして、とても重要な活動を展開していく決心をしたことがわかる。
 
 『自分にとって何よりも大切なことを、どれだけ時間がかかっても納得のいくまで人生を傾けて取り組む』・・・そんな「YOSHIKIらしさ」が、今回の発表で明らかになったのだ。


 
 「YOSHIKIらしさ」は、X JAPANとしては8年振りとなるシングル『Angel』のリリースという発表にも表れていた。