3. アレンジに向けて 〜 曲の下ごしらえ

 生まれた曲をアレンジして、サウンドを構築していく過程に移りますが、その前に

 作曲に関わる、非常に、非常に、非常に重要なポイントを書きます!
 

 「生まれたメロディーの裏には、たいていそのメロディーを支える
  リズムやコードが存在する」なら、
なぜ 最初から
 「楽器やループなどを使って作曲」をしないのか?

 これはとても重要なポイントです。

 例えば、CMや映像音楽などで、リズムのグルーブが最初からオーダーされている
場合に、そのグループを奏でるリズムをループさせ、それを聴きながら曲を生むこと
は、あります。

 また、出来上がっている曲の一部を修正する過程などで、コードを先に設定して
その部分のメロディーを生む場合も、あります。

 でも僕は、新たな作品を生む時、そういう創り方は基本的に避けます。

 理由は、全てにおいて最優先する、ものづくりの鉄則

 「オリジナリティの確保」

 を徹底するためです。

 音楽を含め、クリエイティブな作品というのは、とにかく自由なものです。

 そして、無限の自由があるからこそ、
 作品を生む瞬間に、一切の縛りから自由でいたいのです。

 真っ白な、何もかかれていない紙に自由に思うがままのイメージを描くように、
自分の中に生まれる音楽のイメージを、無限の自由の中で、思う存分、生ませてあげ
たいのです。その時、

  リズムパターンやコード進行の縛りがあっては、
  曲を生む自由が奪われてしまう
 
  
 のです。

 ここで、「コードとコード進行の不思議」について詳しく説明を始めてしまうと話
が違う方向に大きくズレてしまうので、いずれ、その内容と相対音感がセットになった、
「ソ#で音楽の謎が解ける」という、別作品をお届けすることにして、ここでは省略
します。

 でも、ひとつだけ簡単な例を。

 パッヘルベルのカノンは有名な曲ですが、日本人はこの曲の和声がすごく好きで、
これをコード進行に対応させた曲が、J Popにはあふれています。

 キーを原調から C にずらすと、
 C - G - Am - Em - F - C - F - G
 ですね。