2. 僕が今【夢と夕陽】を書く理由
(その2)

 さて。

 僕がこうやって今、この【夢と夕陽】という文章を書く理由は何か。

 それは、25年間にわたってX JAPANがやってきたことには、これからの音楽業界、音楽に携わる人、そして若く才能に恵まれた未来あるアーティストにとって、大きな意味があり、そのまま、ある答えになっていると思うからだ。

 誤解を怖れずシビアに言えば今、日本で活動し、日本の音楽業界の中にいる多くの人たちは、大きな勘違いをしている。そして、視界が曇っている。何より、あきらめている。

 音楽を、だ。

 その未来を、だ。

 もし、僕のこの文章を読んで、とんでもない、と怒りを憶える音楽業界の人、アーティストがいたら嬉しい限りだ。

 数少ない例外の人、つまり勘違いをしていない、視界も曇っていない、あきらめていない人かも知れないからだ。

 でも残念ながら、30年業界にいる僕の見る限り、今綴った挑戦的な考えを覆してくれる人は、そう多くはいない。

 でも、音楽を愛する僕は、期待している。

 これからに、そして未来に。

 だから、僕は日本の音楽業界と音楽の未来に向けて、この文章を書くことにした。