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【夢と夕陽】50. 『100年残る音楽』 を生み続けるYOSHIKI.17 【ART OF LIFE -14】
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【夢と夕陽】50. 『100年残る音楽』 を生み続けるYOSHIKI.17 【ART OF LIFE -14】

2015-04-28 01:45
     

     【 ART OF LIFE ⑭】


      
     Piano Solo(15:06 〜) 


     前半が終わり、いよいよピアノソロが始まる。
     
     このセクションのベースにあるのは、坦々と続くピアノのリフレインだ。
     
     基調となるメロディーを音階で表すと、

     『ミーファーソーファ』
     
     実にシンプルだ。
     
     メロディーを支えるコードも、Am - Fの繰り返し、と、これもまたシンプル。
     
     けれど、そのシンプルな中に、YOSHIKIが表現したい微妙な感情や、心の温度感のようなものがちゃんと息づいていて、聴く人にしっかりと伝わってくる。
     
     僕にはそれが、YOSHIKIが自分自身を見つめている状態のように感じられるのだ。
     
     そのベースとなるリフレインに、少しずつ音が重なっていく。


     
     このピアノソロを聴くと、やはり二人でスタジオに籠ったデモテープ創りの、あの時を思い出す。

     前半が完成すると、次はピアノソロだ、とYOSHIKIから知らされる。

     譜面を見せてもらうと、かなりシンプルに見える。
     
     まずベースとなるリフレインをレコーディングしていくことにする。

     時々オクターブが変わったり、リフの代わりに上へ上っていく8分音符のフレーズになったりしながら、ソロの世界が構築されていく。

     いつものように、時々首を傾げたり譜面を確認したりしながら、ベースとなる部分が出来上がっていく。

     やがてそれが終わると、今度はそのフレーズに重ねるパートを弾いていくのだ、とYOSHIKIが説明する。

     (ピアノにピアノを重ねるのか・・・)

     漠然とそんなことを考えながら、その作業のためにトラックを整理する。

     準備が整うと、YOSHIKIはそのベースとなるトラックを聴きながら、時々ピアノを弾く。
     
     いつもと違って、そのための譜面はないようだ。
     
     少し弾いては、YOSHIKIが(なるほど・・・)という表情を浮かべたり(おかしいな・・・)という表情を浮かべたりするのだが、僕にはどんな演奏が正解なのか、さっぱり分からない。
     
     でも、YOSHIKIにはきちんと表現したいイメージがあるのだろう、慌てることなく、試行錯誤をしながら、音を重ねるための演奏を続ける。
     
     そのうちに、僕は少し不安になってきた。
     
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