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【夢と夕陽】57. 夢の始まり(2)
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【夢と夕陽】57. 夢の始まり(2)

2015-07-01 02:30

     
     僕がまだ23才、ソニーミュージックに入社して1年目の秋のことだった。

     当時、僕が尊敬していた先輩に、突然こう聞かれた。
     
     「津田は3年後、ってどうしてるの?」
     
     レベッカのプロデューサーであり、鋭い洞察力と深い人間性が特徴の先輩らしい、示唆に富んだ質問だった。
     
     突然、しかも今まで考えた事のない質問だったから、僕は迷ったり考えたりする間もなく、直感だけで答えた。
     
     「ディレクターになってバンドのプロデュースをしてます」
     
     「なるほど・・・。まあ、津田には、いいビジョンじゃないかな」
     
     笑顔で先輩にそう返されてから、そんなビジョンを持っていたのか、と、むしろ無意識下の自分自身に教えられた気がした。
     
     その質問をされるまで、3年後の自分などをイメージしたことがなかったからだ。
     
     しかも、バンドなんて…。
     
     ほんの1年前まで、大学生兼ミュージシ
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