きのう開かれた原子力規制委員会専門会合は、福井県の敦賀原発の敷地内の断層を「活断層」の可能性が高いと判断した。これを受けて、同原発の再稼働は極めて厳しい情勢になった。

「U3W」(NOBORDER)にも出演した渡辺満久東洋大学教授が長年指摘していた通りの結果となった。

驚くのは、日本の活断層の専門家が極めて特異な立場に置かれている現状である。

渡辺さんの話を聞きながら、私は背筋の凍る思いと同時に、原子力ムラの影響力というのはここまで徹底されているのかと改めて驚いたものだった。

まず、日本では活断層という極めて科学的な研究が理系ではなく、文系の分野になっているということに驚かされた。地震研究の一環ではなく、地層の研究ということにカテゴライズされたのだろう。

そういえば、高校で習った地層学は、理科ではなく、確かに社会地理の教諭が担当していたのを思い出す。

そうか、学問的にはあの延長線上に活断層の研究もあるのだろう。もちろん、文系が悪いというわけではない。ただ、もう一つの問題は、文系にされてしまったそうした活断層の専門家が結果として、極めて少ないことにあるのだ。