マル激!メールマガジン 2015年5月27日号
(発行者:ビデオニュース・ドットコム http://www.videonews.com/ )
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マル激トーク・オン・ディマンド 第737回(2015年5月23日)
これが火山国日本の生きる道
ゲスト:高橋正樹氏(日本大学文理学部教授)
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日本は世界でも有数の火山国だ。しかし、これまでわれわれは、火山噴火のリスクに対しては、あまり現実的な脅威とは見なしてこなかった。
ところが、昨年9月に岐阜県と長野県の県境にある御嶽山が水蒸気爆発を起こし57人が亡くなったのに続き、今年の4月下旬からは首都東京からほど近い神奈川県の箱根山で火山性の地震が頻発するなど、火山の活動が現実的な脅威となってきた。
箱根山は東京に一番近い活火山で、火山学者で日本大学文理学部地球システム科学科教授の高橋正樹氏によると、約6万年前の大噴火では神奈川県のほぼ全域が火砕流堆積物で覆われたという。もし今日、箱根山で6万年前と同じような大噴火が起きれば、神奈川県が全滅し800万人以上の犠牲者が出るほどの大被害が起きることになるが、高橋教授は今回の箱根山の火山活動では、震源の浅い地震を繰り返しながら、噴火までには至らず、緩やかに収束していく可能性が高いという。ただし、水蒸気爆発、マグマ噴出が発生した場合、カルデラに囲まれた芦ノ湖を含む箱根一帯は、火砕流による被害も想定され、観光地としては大きな打撃を受ける可能性は否定できないという。
巨大噴火、破局噴火に分類される火山活動は過去12万年間に日本で17回、およそ7000年の周期で発生している。直近の破局噴火が7300年前の鬼界カルデラ噴火であることを考えると、現在日本列島でいつ巨大噴火が起きてもおかしくないとも言えるが、巨大噴火を予知することは不可能だと高橋教授はいう。
むしろ日本の問題は予知の如何にかかわらず、万が一の事態に備えるだけの実効性のある防災計画が整備されていないことにあると高橋氏は指摘する。われわれが日本という火山国に住む以上、いつかは必ず大噴火に直面することになる。また大噴火まで至らない場合でも、小規模、中規模な噴火はいつあってもおかしくない。
その現実を直視し、万が一の時に備えた防災意識と防災対策を行うことが肝要となるが、残念ながら現在の日本では、東日本大震災でも露呈した行政まかせの防災意識が依然として横行している。地震、津波、台風、土砂崩れ等々、数多くの災害と隣り合わせに生きているわれわれ日本人は、火山リスクとはどう向き合えばいいのか。火山学者で過去の破局噴火とそのメカニズムにも詳しいゲストの高橋正樹氏とともに議論した。
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今週の論点
・箱根で巨大噴火が起きるとどうなるか
・2015年火山活動、今後のシナリオ
・天災は人災である――原発管理の大問題
・噴火の「予知」はできない 草の根の対策を
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