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ついに発売になった根津孝太さんの新著『カーデザインは未来を描く』。今回はDMM.make AKIBAで行われた刊行記念イベントの模様をお届けします。「自動車好き」が減っていくなかで、自動車が担うべき役割とはーー自動車に造詣の深い株式会社Cerevo代表取締役・岩佐琢磨さんとの対談から考えていきます。(構成:池田明季哉)
※本記事は2017年10月24日に行われた刊行記念イベント「自動車の世紀はあと100年続く」を再構成したものです。

当日のイベントの様子は動画でもご覧いただけます。 

【書籍情報】
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宇野 みなさんこんばんは。本日は『カーデザインは未来を描く』刊行記念イベントにお越しいただき、まことにありがとうございます。司会を務めます、評論家の宇野常寛です。よろしくお願いいたします。
10月7日に、僕が代表を務める出版社「PLANETS」から、根津孝太さんの著作『カーデザインは未来を描く』が発売になりました。この本は、ここにいらっしゃる気鋭のデザイナー根津孝太さんが、古今東西の名車のデザインについて圧倒的な熱量で語っている本です。そして「自動車の世紀」と言われる20世紀の100年間、人類が自動車にどんな夢を託してきたのか、そして激変を迎えようとしている自動車業界に対して、これからの自動車がどんな夢を語るべきなのかについて熱く説いている本でもあります。
今回は、この本の刊行イベントとして、著者の根津さんに加えて、株式会社Cerevo・代表取締役の岩佐琢磨さんにお越しいただきました。

岩佐 こんにちは。もうベンチャーという歳でもなくなってきましたが、2008年からIoTに特化した家電製品・ハードウェアを作る会社、Cerevoの代表を務めております。今日はよろしくお願いいたします。なぜ僕が呼ばれたのか、自分でもよくわかっていないのですけれど……(笑)。

宇野 岩佐さんには家電ベンチャー業界を代表する車オタクとして来ていただきました。岩佐さんが呼ばれた理由はこの後の熱いトークで否応なく証明されていくと思うので、みなさん覚悟していてくださいね(笑)。

「自動車が好きな人」が減っていった世代

宇野 まずはゲストの岩佐さんに、著者の根津さんへこの本の感想をぶつけてもらうところからはじめていきましょうか。

岩佐 僕は車が大好きな側の人間なのですが、むしろカーデザインにこれまで興味を持ってこなかった人に手に取って欲しい本だなと思いましたね。20世紀を通じた自動車の歴史が、とてもコンパクトにまとまっていますし、今まで知らなかった人も、これを読めばここ数十年のカーデザインのことがわかるという本になっていると思います。

宇野 僕はそもそも自動車の運転免許を持っていないんですよ。だからまさに僕自身が、この本を作ることを通じて自動車の魅力について知っていったという感じです。

岩佐 もちろん車好きとしても楽しんで読ませていただきました。さまざまな名車のデザインについても語られているのですが、やっぱり根津さんが選ぶ車はマニアックですよね(笑)。

根津 僕も別に、あらゆる自動車について広くあまねく知識を持っているわけではないんですよ。好きなものが徹底的に好きなだけなんです。そんな僕のマニアックな偏愛をオープンにしていくことを通じて、僕が魅力を感じた背景に迫りつつ、共感してもらえたらいいな、と思って書いていました。
僕は1969年生まれで、いわゆるスーパーカー世代といわれた世代なんですね。小学校のときにスーパーカー消しゴムというのがあって、そういうもので遊びながら育った世代です。だから特に男の子であれば自動車が好きなことがある意味では当たり前で、自動車が嫌いな人の方が珍しい世代なんですよね。
宇野さんと岩佐さんは僕より9歳年下なんだけれど、そのあたりはすごく違うなと思います。


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