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平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』。今回のテーマは「差別」。(一見)差別的な用語に過敏に反応してしまう昨今の風潮について、敏樹先生がユーモラスに語ります。
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脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第64回
男 と 差 別     井上敏樹 

駅の自販機でお茶を買った。『お~い、お茶』というものである。ふと、思った。この商品名は差別的なのではないのか。『お~い、お茶』とは言うまでもなく、夫が妻に対してお茶を要求する言葉であろう。もちろん、妻が夫に、或いは子供が親に言う事もあろうが、この場合、今や死語となりつつある亭主関白を表しているのは間違いない。ちょっと前に森元首相の女性蔑視発言が問題になったが、『お~い、お茶』は差別ではないのか。だが、よく考えてみるとこの商品名はなかなか賢い、と気づいた。『おい』ではなく『お~い』と伸ばしている所がミソだ。大声を上げている。つまり、この家は広い。お屋敷である。ならば、当然、昔風に言えば『お手伝いさん』のひとりやふたりいるだろう。この男はお手伝いさんにお茶を要求しているのだ。ならば差別ではない。お茶を出すのもお手伝いさんの仕事だからだ。『~』によってこの商品は救われているのだ。

さて、差別と言えば先日、友人から面白い話を聞いた。


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