No Limit部門準グランプリ。内部にギミックを仕込むことによって、ハトが実際に飛び出るようになっています。特殊なブロックが少ないナノブロックでも、工夫次第で楽しい遊べるものも組める、という一品。
そしてなんと、まさかのSKE48の楽曲「枯葉のステーション」の衣装が! AKB48のプレス発表がソラマチで行われた際、控え室に飾ったそう(笑)。小さくてかわいらしい作品です。
(C)「ノーコン・キッド」制作委員会 (C)TV TOKYO
――遊びが幅広いですね!(笑)
■[開発者インタビュー編]
展示を存分に堪能した後は、ナノブロックの全ての開発に携わっており、袋入りのパッケージなどを通じて今のナノブロックを一から作り上げた、開発の高橋さんにお話を伺いました。
――ナノブロックはオシャレ雑貨的なイメージから、ここ1・2年で大きく脱皮しようとしているように思えるんです。そこでお伺いしたいのですが、ナノブロックのアイデンティティとして、残しておきたい、変化させない部分というのはありますか?
高橋 敢えてブロックっぽいところを残す、というところでしょうか。ナノブロックはブロックの種類が少ないんです。11種類でスタートして、幾つか専用のものを除けば、今でも20種類いかないくらいで作っています。
――たったそれだけしかないんですね! 驚きました。例えばレゴというのは、ある時期から明らかに模型側に舵を切っていると思うんです。一体型や特殊なパーツを使って、独特にデフォルメされた組み立て模型を目指している。それはそれでいいと思うんですが、ナノブロックはそれとは全く違う方向ですよね。
高橋 当社のダイヤブロックもそうですが、レゴはいろんな曲線や、ブロックのポッチを隠すフラットなパーツも多く使われます。もちろんそっちの方がリアルに作れるのですが、ナノブロックはそれとは違うベクトルで、ドットのようなブロックのポッチを活かしつつ、スタンダードなものだけで作りたいと思っています。
やっぱり、限られているところがいいんですよ。限られた中で、いかに魅力的に見せるか、というところにこだわっています。
――僕(宇野常寛)は35歳でファミコン世代なんです。だからドットで描かれたキャラクターに親しんで育った。それがプレステやセガサターンになってドットからポリゴンになったときに、嬉しかった反面、ちょっとがっかりしたんですよね。技術的制約だと思っていたものが、実は独特の魅力を持っていた……ナノブロックは、そうしたドットの魅力にもう一度立ち返っていると思うんです。
高橋 そうですね。枠を自分で作って、その中でやっていくことは大事にしていきたいです。
お客様もそういった部分を求めているのかなと思うんです。ナノブロックは後ろに仕切りがないのが特徴になっているんですが、そうするとスライドさせたりナナメに組んだり、作品の作り方がすごく広がるんですね。そういった組み方が、ネット上で徐々に共有されて広がっていった、ということもありました。最初は「やっぱり仕切りがあった方が良かったんじゃないか……?」と思っていたんですが(笑)。あるものだけでより柔軟に組むというのは、ナノブロックが基礎的なブロックだけだったからこそ生まれたことだと思います。
――確かに、ナノブロックアワードの作品も、そうした組み方が多用されていますね。あれはネット上で広がっていったものだったんですね。
高橋 ナノブロックアワードは、最初twitterのみで募集をかけたんですよ。
――twitterのみでですか!? それはなかなかアナーキーですね(笑)。
高橋 はい(笑)。それでも最初は240作品ものご応募をいただきまして、それから単純増加で今年は543作品のご応募をいただいています。ユーザー同士のコミュニケーションも、twitterを通じて知り合いになったりですとか、「そろそろ応募締め切りだから作らなきゃ」みたいな会話など、とても活発なんです。エキシビションやおもちゃショーになると、現地がプチオフ会みたいになっていて、僕も混ざってマニアックな部品の使い方とか、この商品にこの部品が入っている、みたいな話をさせてもらったりしています(笑)。
――基礎ブロックがコミュニケーションを生んでいるということなんですね。ブロックのコンテストって、結局いかに欲しい形のパーツを購入できるか、というゲームになってしまいがちなのですが、ナノブロックアワードはそうなっていないところがすごいと思うんです。実際に受賞している作品も、やはり工夫が評価されていますし、かなりフェアなレギュレーションのスポーツ的な空間が実現していますよね。
だからこそ、僕はナノゲージを見てすごく驚いたんです。Nゲージをそのまま使えるというのもそうだし、車体にフラットなパーツを多く使っているというのもそうですが……今までのナノブロックとすごく違う。これはどういったコンセプトで作られたんですか?
高橋 今までずっと「静」のものを作っていたんですが、今度は「動」のもので新しい領域を広げていきたいと思ったんですね。そう考えたとき、小さいナノブロックと小さいNゲージの相性がいいなと思ったんです。周りのものもナノブロックであればいろいろ作れますし、線路を走らせるものも列車以外のいろんなものが作れますから。
――なるほど。今回あの巨大ジオラマを見せていただいて、ファミコン時代のビジュアルセンスで今の日本の町並みを再現するというビジョンが一気に目の前に広がって、本当に圧倒されました。ナノブロックであれば、ブロックさえあればあらゆるものがドットの世界観で無限に拡張できますからね。
高橋 ナノゲージ以外にも、いろいろ新しい展開も考えているんですよ。単なるおもちゃを超えて、大人をあっと言わせるものを作っていきたいですね。
限定こそが、創造性を生み出す。80年代に生まれたドットの文化が、30年以上を経た今、ナノブロックに受け継がれたとも言えるかもしれません。日本でしか生まれ得なかったブロック玩具の革命は、クリエイティビティとは何なのかということそのものに、大きな示唆を与えてくれるように思います。
※ナノブロックアワード受賞作品は、公式ウェブサイトで見ることができます。
本当に素晴らしい作品ばかりなので、物足りない方はぜひぜひチェックしてみてください!
※カワダさまは「東京おもちゃショー2014」に出展します!
一般公開日は6月14日(土)、15日(日)です。
(了)
コメント
コメントを書くいつか等身大ガンダムがレゴブロックで出来るのを期待してます。
その前にナノ(ブロック)マシン化だな! 144スケールでもそれ以下でも大人も子供もびっくりだ。
開発者の人がしかめっ面した嵐の人に見えた
もっとレゴみたいにまとまったのを売り出すべき
ナノブロックいいよね!!!
ナノブロックはもっと外しやすかったら遊びやすいのになぁーっていつも思う(´・ω・`)
値段が少しお高めなのは・・・まぁしょうがないかw