あの井上敏樹先生がエッセイ連載『男と×××』を開始!
気になる第1回のテーマは――「男と遊び」
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2014.8.29 vol.147

ついにあの井上敏樹先生がほぼ惑に降臨! 月イチでのエッセイ連載がスタートします。
もはや、一切の説明は不要でしょう。刮目せよ! その男の生きざまを――!

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▲豪快にスッポンを焼く井上敏樹氏。(宇野常寛ツイッターより)

▼プロフィール
井上敏樹〈いのうえ・としき〉
1959年埼玉県生まれ。大学在学中の81年にテレビアニメの脚本家としてのキャリアをスタートさせる。その後、アニメや特撮で数々の作品を執筆。『鳥人戦隊ジェットマン』『超光戦士シャンゼリオン』などのほか、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー555』『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーキバ』など、平成仮面ライダーシリーズで活躍。2014年には書き下ろし小説『海の底のピアノ』(朝日新聞出版)を発表。

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▲井上敏樹先生が表紙の題字を手がけた切通理作×宇野常寛『いま昭和仮面ライダーを問い直す[Kindle版]』も好評発売中!


【関連動画1】
井上敏樹さんも生出演したPLANETSチャンネルのニコ生です!(2014年6月放送)
【前編】「岸本みゆきの ミルキー・ナイトクラブ vol.1」井上敏樹×萩野崇×岸本みゆき
【後編】「岸本みゆきの ミルキー・ナイトクラブ vol.1」井上敏樹×萩野崇×岸本みゆき

【関連動画2】
井上敏樹を語るニコ生も、かつて行なわれています……!仮面ライダーカイザこと村上幸平さんも出演!
【前編】「愛と欲望の井上敏樹――絶対的な存在とその美学について」村上幸平×岸本みゆき×宇野常寛
【後編】「愛と欲望の井上敏樹――絶対的な存在とその美学について」村上幸平×岸本みゆき×宇野常寛
 
 
男 と 遊 び
 
井上敏樹
 
 さて、この度『男と×××』なるテーマでエッセイを書く事になった。なぜこのような事態になったかというと私と本誌の主幹である宇野常寛とで鮨を食い、その店がなかなかの店で、したたかに酒を飲み、そして宇野が支払いをしたからである。
 第一回目は『男と遊び』。
 なぜ、記念すべき初回が『遊び』なのかというと、この連載は狭量な私の独断と偏見の固まりであって理論的道徳的説得力は皆無であるところをまず前面に押し出したく、それに相応しいと思ったからだ。
 そこで、当然、遊びとはなにか、と言うことになる。
 
 人生そのものが遊びだ、と言う考え方もあるがそれでは話が終わってしまう。
 また、私の言う遊びは趣味とは違う。プラモデルや切手蒐集は遊びではない。私が見るところ趣味が男にもたらすものはなにもない。ある趣味に没頭する男はずっと同じ事を繰り返す。同じ場所をぐるぐると回り、回り続けるその酩酊感に酔っているだけだ。
 また、スポーツも遊びとは違う。たまにゴルフやら草野球に興じてもせいぜい一時的に気分がスカッとして健康的になったような気がするだけである。非創造的なる事この上ない。
 私が言う遊びとは人を変えるようなものである。男の根源的な部分に訴えかけ、存在そのものを変容させてくれるような行為の事である。
 思うに、そのような遊びは先人たちの知恵によってすでに明らかである。