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月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」11月10日放送全文書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.202 ☆
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月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」11月10日放送全文書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.202 ☆

2014-11-17 07:00

    月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」
    11月10日放送全文書き起こし!
    ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
    2014.11.17 vol.202

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    大好評放送中の、宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。毎週月曜日は、前週分のオンエアの全文書き起こしをお届けします!

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    ▲前回放送はこちらでもお聴きいただけます!
     
     
    ■オープニングトーク
     
    宇野 時刻は午後11時30分をまわりました。皆さんこんばんは、評論家の宇野常寛です。
    いや〜、僕は結構恐ろしい体験をしてきましたよ。いろいろ考えさせられましたね。土曜日に愛知県に行ってきたんですよ。愛知県立大学で公開授業があって、一泊二日で出かけてきたんですが、もうてっきり僕は愛知県立大っていうのは名古屋にあるのかなと思ってたいら、違うんですよね。「名古屋だったら新幹線で一時間半だから楽勝じゃん、なんなら日帰りでもいいよ」くらいに思ってたんですけど、違うんですよ。愛知県立大っていうのは名古屋から、電車を結構いくつか乗り継いで一時間の、長久手市にあるんですね。皆さん「長久手」は知っていますか? 歴史好きな人だったら「小牧長久手の戦い」とかで記憶にあると思うんですけどね。織田信長が本能寺で殺された後に、豊臣秀吉と徳川家康がその後の信長の後継者を巡って争った戦いの、あの古戦場があるところですね。最近だと2005年の『愛・地球博』の会場になったのが長久手市ですね。僕も開催当時に仕事で取材に行ったりしたこともあって、それ以来ですね長久手に行ったのが。

    なので、僕は新幹線で名古屋まで行ったところで「ここから地下鉄に乗り換えるんだなー」とか思って、終点の藤が丘ってところまで行ったんですよ。で、そこからさらに「リニモ(Linimo)」っていう鉄道に乗り換えるんですよ。このリニモっていうのは名前からわかる通り、リニアモーターカーの親戚か何かっぽいんですよ。同じような技術が使われているらしくて、リニアモーターカーそのものではないらしいんですけど。だから、きっとすごくハイテクで、最新設備で、めっちゃめちゃ速いんだろうなとか思いながら結構ワクワクしてたんですよ。で、ちょっと藤が丘で休憩しながらジュースとか飲んで、そろそろ行こうかと思ってGoogleの路線検索かけると、びっくりなんですよ。結構時間かかるんですよね、そんな本数も多くないし、「やばっ! 遅刻じゃん!」とか思って、慌ててリニモの駅まで地下深くにダーっと降りてくんですよ。それで、急いで改札に降りてICカードをピッて、いま関東圏使える鉄道のICカードでバスとかも全部それで乗れるSuicaっていうやつがあるわけじゃないですか。あれ、関西圏だとICOCAって名前だったりして、当然東海圏でも使えるんですよ。新幹線から降りてからずっとそのICカードで移動してたわけですよ。そのICカードを、いかにも「ICカードをタッチしてください」って感じのパネルにタッチして通り過ぎようと思ったら、「ピンポーン」とか鳴って通れないんですよ。通せんぼのシャッターみたいなやつが下りてきて、はぁっ!? とか思ったんですけど、これはきっと残高不足だなと思って別のカードを出したんですよ。僕いつも5,000円ぐらいチャージしてるカードをもう一枚持ち歩いてるんで、そっちでピッてやってもまた「ピンポーン」とか鳴って引っかかるんですよね。これ何事かと思ってすっごく動揺してたら、後ろの方から「お客さーん、それ使えないっすよ」みたいな声がして、ふと振り向いたら改札の窓口から職員のおっちゃんが僕を見て叫んでいるんですよ。えっ!? とか思ってよく見ると、僕がさっきから何度もタッチしていた改札には「ここにICカードをタッチしてください」ではなくて、「ICカードは使えません」ってラベルが貼ってあるんですよ。はぁーーっ!? とか思って愕然としましたよ。だって、リニモっていかにもハイテクの象徴じゃないですか、愛・地球博の開催に合わせて敷設されたローカル線なんで、まさに科学技術の象徴ですよね。「未来の日本の交通はこうあるべき」って象徴なのに、ICカード使えないんですよ。

    ICカードが今どれだけ普及してるかっていうと、今時「嵐電(あらでん)」ですらカードが使えるんですよ。皆さん嵐電ってご存知ですか? 嵐電っていうのは、京都市右京区の交通網の覇者ですよ。はっきり言って「右京区の交通は嵐電に始まり、嵐電に終わる」ぐらいの存在感のある路面電車なんです。嵐山とか太秦の映画村とか、金閣寺の近くとか京都の西側の観光地をだいたいカバーしていて、観光客+ローカル住民の足みたいなものなんですよね。でも、基本スピードが遅すぎて、急いでる時は全く使えないんですよ。JRの駅の一駅分を6等分ぐらいしてちんたら進んでいく、超スローな路面電車なんです。嵐電っていうのは正確にいうと「京福電鉄嵐山線」の略称で、漢字で書くと「嵐の電車」で嵐電なんですけどね。これ、時代に取り残されてるっていうか、むしろ時代に取り残されれることがアイデンティティーのような電車なんですよ。「都会ではファストな時間が目まぐるしく過ぎていきますが、こと京都ではスローな時間が……」的な電車なんですよ。言ってしまうとビジネススローライフ電車なんですよ。その嵐電ですらも今はICカードに対応していて、ピッてやったら降りられるんですよ。もうほんとに、この21世紀に『じゃりん子チエ』の世界観で生きているようなおばちゃんとかが普通に「はーい降りるで~」とか言いながらピッてやって降りてるわけですよ。

    にもかかわらず、10年前とはいえ科学万博の一環で敷設された電車でICカードが使えないんですよね。僕は本当に悩みましたね。「この電車のアイデンティティーはいったいどこにあるんだろう?」とかそんなこと思いながら、仕方ないから切符を買って改札くぐって乗ったんですよね。その時に、僕は忘れられないのんですけど、駅員さんが僕を可哀想な生き物を見るような目で見てるんですよね。なんというか、「アフリカゾウはここ数十年でめっきり個体数が減り、絶滅の危機に……」みたいな感じのテレビを見ている時の目をして僕を見ているんですよ。これね、ちょっといろいろ考えさえられましたね。「文明とは何か?」とか「地方ってこうやって空回りして衰退していくんだな」とか、いろんなことを思いましたね。はい、愛知の話はまだ微妙に続きますが、ここでオープニングは終わりです。まだまだ僕の愛知の話は続きます。ということで、J-WAVE「THE HANGOUT」今夜もスタートです。

    〜♪

    宇野 J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。月曜担当ナビゲーターの宇野常寛です。リニモって、正確に言うと「リニアモーターカーの原理の一部は使っている」らしいんですよ。でも、そのことによって特に速くはなっていないらしいです。特にスピードとかには活かされていないらしいんですよ。本当に僕は悲しくなりましたね……(笑)。僕は、いろいろ疑問に思って調べて中途半端に詳しくなってるんで、リニモについて話していくと、本当にそれだけで一時間半くらい使っちゃうので、ちょっとサクサク次に進んでいこうかなと思います。

    はい、この番組はですね、夜更かし族の皆さんの溜まり場です。ツッコミや質問も大歓迎です。皆さんの積極的な番組参加の方をお待ちしております。ハッシュタグは#hang813です。メールのほうはこの番組のホームページのメッセージから送ってください。番組ホームページではYouTube Liveでスタジオの様子を同時生配信中です。そして、毎週月曜日は番組終了後ニコニコ生放送PLANETSチャンネルで延長戦をやります。番組内で語りきれなかったことなどさらにディープに掘り下げていきます。延長戦のURLは「THE HANGOUT」の番組ホームページにリンクしてあります。というわけで宇野常寛がナビゲート、J-WAVE「THE HANGOUT」今夜の一曲目は電車の話題で始まったということでこの曲を選曲しました。アニメ『ジムボタン』のオープニングテーマです。堀江美都子で「ジムボタンの歌」。

    〜♪
     
     
    ■フリートーク
     
    宇野 はい、お送りしましたのは、堀江美都子で「ジムボタンの歌」でした。
    改めましてこんばんはJ-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」月曜担当の宇野常寛です。なんか意外と、リニモと「ジムボタンの歌」に反響が多いですね。これはラジオネームのしのすけさん。

    「速くないリニアモーターなら地下鉄大江戸線もそうでは?」

    あれも結構リニアモーターカー的な技術を使っているんですかね? 僕は全然電車のことは詳しくないので知らないですけど、意外とメジャーな技術なのかもしれないですね。えーっとこれはですね、Twitterネームのほごたのまっちゃんさん。

    「長久手町、長久手市になっていた」

    そうなんですよね。たぶん平成の大合併的な何かで市になったんだと思うんですよね。だから本当にこの、愛・地球博からの10年間で地方の大合併もあり、財政的な苦しさがあったりとか、過疎化の問題があったりとかして、いろいろ変貌していってるじゃないですか。はっきり言うと立ちいかなくなっているんですよね。その象徴として、リニモとその赤字があると思うんですよね。なんというか、誰も幸せになってない感じというかね。

    はい、Twitterのハッシュタグは#hang813です。メールのほうはこの番組のホームページのメッセージから送ってください。11時55分からは、南沢奈央ちゃんのNIPPON SEKIJUJISHA “GAKUKEN” THE REASON WHYのコーナーがあります。そしてJ-WAVE「THE HANGOUT」各曜日のナビゲーターが毎週共通のテーマを語るシェア・ザ・ミッションのコーナー、今週は「アート」について語ります。そしてアナーキー・ミュージックシェアのコーナーではJ-WAVEの他の番組ではまずかからないであろうアニメソング、特撮ソング、アイドルソング、映画やドラマの主題歌や劇伴などなど、アナーキーな一曲をリスナーのみなさんの選曲でお届けしちゃいます。メールはまだまだ受け付けていますからどんどん送っちゃってください。J-WAVE WACODES(ワコーズ)のメンバーが、さまざまな企業訪問をして、リポートするワーカーズ・ディライトのコーナーもあります。宇野常寛が深夜1時まで生放送でお送りします。深夜の溜まり場「THE HANGOUT」ここでいったんお知らせです。

    〜♪

    宇野 J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」六本木ヒルズ33階J-WAVE Bスタジオから生放送中、月曜は宇野常寛がお届けしております。ちょっとメールとTwitter見ましょう、これはTwitterネームじゅんいちつちやさん。

    「ジムボタンの原作って『モモ』のミヒャエル・エンデなんだよな」

    そうなんですよ。原作は『ジムボタンの機関車大旅行』っていう児童文学なんですよね。曲を聴くかぎり、おそらくアニメはかなりアレンジしてますよね。ミヒャエル・エンデは絶対に「ボタンパンチ!」とか言ってないと思うんですよ(笑)。僕はアニメを見たことないんですけど、かなりアレンジされてるんじゃないかなと想像しています。じゃあメール行きましょうか、ラジオネームのナカガワンさん。

    「宇野さんこんばんは、日付が変わって11月11日は、ちまたではポッキーの日とか言われていますね。そこで宇野さんは、お菓子にまつわる思い出とかはありますか?」

    僕、新製品のCMにすごく弱い人間で、青リンゴガムとかロッテが出した時とかCM見てすぐにコンビニに行ったりとかしていましたよ。テレビとかのCMに弱くて、カルピスとかのCMが流れるとすぐカルピス飲みたくなるし、たぶんサブリミナル効果とかに弱い人間なので、本当に気をつけないといけないなと思っています。洗脳とかにたぶん弱いと思いますよ、すごい影響されちゃうんで(笑)。はい、次のメールいきましょう、これはですね、ラジオネームともちゃんさん。

    「今日、会社の後輩の女の子(22歳)が『結婚するなら旦那さんに養ってもらいたい』という発言をしていて驚きました。しかし、たしかに僕もそのくらいの年齢の時に『金持ちの女性のヒモになりたい』と友人と話していたので、これくらいの年齢の子たちは必ず通る道なのかと感じてしまいました。ただ、ある一定の年齢を過ぎるとそれが夢物語だと感じてしまいます。おそらく彼女もいつかそれに気づくのかもしれません。宇野さんはこのような経験はありますか? また、それが幻だったと気づいたのはいつですか?」
     
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