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月曜ナビゲーター・宇野常寛
J-WAVE「THE HANGOUT」
2月23日放送書き起こし!
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.3.2 vol.272
大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。ほぼ惑月曜日は、前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!
■オープニングトーク
宇野 みなさんこんばんは。評論家の宇野常寛です。すみません、冒頭から裏番組のパーソナリティの話をしてもよろしいでしょうか。先週の土曜日に、僕の友人でもあるニッポン放送の吉田尚記アナウンサー、通称よっぴーと池袋のジュンク堂書店でトークショーをやったんですよ。僕が先月末に出した「PLANETS vol.9」っていうオリンピック特集の雑誌と、同じタイミングでよっぴーが出した『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』通称「なぜ楽」という本の合同出版イベントだったんです。よっぴーは僕の「PLANETS vol.9」にも、プロジェクトチームの一員として参加してくれていて、巻末に載っている「オリンピック破壊計画」っていうセキュリティ・シュミレーションのパートを担当してくれたんですね。で、僕の方も「なぜ楽」にちょっと絡んでいて、SKE48の松井玲奈ちゃんと一緒に、この本にコメントを寄せているんですよ。新聞広告とかAmazonの紹介文に書かれているような、「この本はこんなにすごいぜ、面白いぜ」みたいなことを書いているんですよね。
この「なぜ楽」っていう本は、いわゆる自己啓発本にカテゴライズされているんだけど、かなり分析的な内容なんですよ。一言で言うと「オタクのための話し方講座」みたいな本なんです。ほら、僕なんかもそうなんですけど、社交的な雑談が苦手な人っているじゃないですか。なんで天気の話とか一生懸命しなきゃいけないのとか、心の底ではどうでもいいと思っているのに、ワイドショーで話題になっている芸能人カップルがくっついたとか離れたとかそんな話をしなきゃいけないのと思いながら、愛想笑いしているだけの瞬間って多いじゃないですか。そういった、会話のための会話みたいなものをスムーズにやるためにはどうしたらいいのか、会話のための会話をゲーム感覚で攻略するにはどうしたらいいかっていう、そういうテクニックを解説する本なんです。僕はゲラの段階で送ってもらって読んだんだけど、すごくよく出来ているんですよ。それで、実際ね、売れているんですよ。もう「PLANETS vol.9」の2倍ぐらい売れているんですよね。なので僕はめちゃくちゃ嫉妬しているくらいなんですけど(笑)、この前の土曜日は友人関係とかそういうのはちょっと横に置いといて、いち批評家としても、ベストセラーになりかけている本だし、普通にガチで応答していかなきゃいけないなと思ってトークショーに臨んだんです。
僕は基本的には吉田の分析に同意しますね。よっぴーはこう言うんです。「コミュニケーションの目的はコミュニケーションに過ぎない」と。「人間は何か目的があってコミュニケーションをするんじゃなくて、コミュニケーションを成立させるためだけにコミュニケーションをしているのだ」と。そして、「それはなぜなのか? 安心したいからだ」って言うんですよ。そこでよっぴーは、基本的に聞き役に回ることで、相手に自分はあなたを承認していますよ認めていますよというメッセージをゆるく、負担にならないように送るのが会話のコツだって言っているんです。そうすると、相手はすごく自由にボールを投げることができるから、ものすごく会話しやすくなるというね。これ、さすがだなって思いましたね。
ただ、僕はよっぴーの分析にすごく同意するんだけれど、はっきり言って、これは吉田尚記が会社を辞めていないから書いた本なんですね。
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