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山田玲司のヤングサンデー 第194号 2018/7/9

「ミミズ君」とは何か?

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先週の放送の「ピングドラム解説」で、とうとう村上春樹作品の話になった。


村上春樹と言う人は圧倒的に売れる小説家で、しかも「ジャズ」だの「アメリカ文学」だの、やたらとオシャレなスノッブを効かせてくる芸風なもんだからアンチも多い。


主人公は(ほぼ確実に)世の中をバカにしていて、自分はそんな世界とは無関係でいようとする。

排他的で自己完結したその「主人公」は女やネコに逃げられるが、都合良くすぐに「次の女」が現れる。


そんな春樹が「鼻につく」のもわかる。


僕も春樹には「バカにされる」気がする。

ジャズもウイスキーもケルアックもよく知らないまま「パンクロック」なんかを聴いたりするからだ。

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ところが僕は村上春樹が嫌いではない。


その理由が今回紹介した「かえるくん東京を救う」の中にある。




春樹ファンの間では当たり前の事だと思うけど、一般にはあまり語られないのが「村上春樹が何と闘っているのか?」という話だ。


彼が闘っているのは「女の気まぐれ」か?「謎の組織」か?「冷たい顔をしたスーツの男」か?

「出ていった彼女のワンピース」か?「穴」か?「あしか」か?


どれも違う。


村上春樹が長く闘っているのは「不条理」と「邪悪なるもの」の2つだと僕は思う。


その2つは各作品に様々な形で現れる。



その1つが「かえるくん東京を救う」の中に出てくる「ミミズ君」だ。

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