「朝ナマ」で経済の議論をすると必ず虚しい。
そもそも田原総一朗が最初にトマ・ピケティの名前を出して、
格差拡大のことに触れ、ポピュリズムという単語を出しているのに、
田原氏自身も、パネリストの誰もグローバリズムの本質を
知らないようなのだ。
株価の話をいつもするが、株価が実体経済には全くつながら
ないこと、労働者の賃金には全然連動しないことを、
彼らは知らないのだろうか?
なぜアベノミクスがうまくいかないのか、彼らは全く分かって
いないようだ。
株主資本主義を擁護するほど、彼らは資産が多いのだろうか?
彼らは自分の実体験を無視して、株価が上がっているのは
良きことと漠然と思い込んでいる。
そしてTPPの話なんかを、まだしているのだから呆れる。
自由貿易こそが善だと妄信し、保護貿易を鎖国としか思っていない
連中は、世界の知識人の考えから、完全に遅れている。
ポール・クルーグマンですら、すでにグローバリズムを否定し始めた
ことも知らないのだろう。
最後のアンケート結果に表われたように、今年は良い年になると
思わない人が60%もいる。
なんとその理由が「安倍政権を信じていない」が1位になる。
ネトウヨがいっぱい見に来てたはずなのに、この結果をどう見るのか、
誰も説明できないだろう。
トマ・ピケティの「21世紀の資本」に書かれていた
「資本収益率が常に経済成長率を上回る」という公式を
「朝ナマ」のパネリストは知っていたのだろうか?
さらにこれが逆転したのは、第二次大戦後の30年間しかない
という事実も知っていたのか?
その間のイノベーションが、経済成長にほとんど影響してなく、
廃墟の中からの人口増加率のせいだったということを知って
いるのだろうか?
イノベーションと言うが、シュムペーターが言っている資本主義の
動力源について、彼らは誰も知らないだろう。
常に近視眼的な経済問題を考えていて、巨視的な資本主義の
動向を見ていないから、間違った政策に騙されてばかりいる。
政治家も国民もいつ気づくのだろう?