大したものだ、イギリスのテリーザ・メイ首相。
EUの単一市場から脱退することを表明するという。
「部分的な加盟や、準加盟のような状態にはしない」と
きっぱりだ。
メイ首相は離脱後も「可能な限り自由に」EU各国と貿易
したい考えを示し、「新しく対等なパートナーシップを
求める」としている。
要するに自国の「主権」を放棄してまで、単一市場で、
単一ルールに縛られる気はないということ。
これが健全な保護貿易の姿であり、インターナショナルな
貿易の姿だ。
EU圏内の国々は、「主権」を失っているから、
独自の経済政策はとれないし、緊縮財政をドイツから
強いられ、移民も膨大に受け入れねばならなくなる。
国家が溶解してしまうのだ。
結果として出来上がっている姿はドイツ帝国である。
世界が統一の市場となって、国境が消滅し、戦争が
なくなって、「世界市民」ができるという、
お花畑でアホが手を繋いで合掌するような設計主義は、
人類の歴史への冒涜である。
さすがイギリスはフランス革命を馬鹿にした保守主義の
国である。
メイ首相を見ていると、強い女性リーダーが出てくる
イギリスの歴史と伝統の凄みに感心させられる。
同じ島国である日本では、まだまだ男尊女卑の因習から
離脱できず、男より強い女性リーダーが出て来ない。
メイ首相の覚悟に敬意を表する。