プロレス業界のあらゆる情報に精通する事情通Zの「プロレス 点と線」。今回は「プロレス総選挙」について!(聞き手/ジャン斉藤)





――3月12日にテレビ朝日系列で特番放送された『プロレス総選挙』が大きな話題になってます。この『プロレス総選挙』は21時放送開始でしたけど、前番組のWBC日本×オランダ戦が延長10回にもつれる激闘になったために、大幅に遅れて24時過ぎの放送になってしまいました。

 ひさしぶりにプロレス番組がゴールデンタイムに中継されるという話だっただけに放送遅延を残念がる声が多いけど……野球も大好きなプロレスファンなら、『プロレス総選挙』が21時から始まるわけがないと最初から思ってたはずでしょ?(苦笑)。

――そうなんですよねぇ。WBCは19時試合開始で投手の球数制限がある国際試合。回途中の投手交代なんかで中断が多くなり、試合が長引くから絶対に21時までに終わるわけがない。テレビ局としても22時30分くらいの放送開始を想定してたと思うし、プロレスファンのあいだで「総選挙が始まらない!」という騒ぎになるのも計算のうちだったと思うんですよ。

 「野球が長引いている!どうなるプロレス総選挙!?」と話題になるだろうと。実際に番組遅延の件がニュースとして扱われたりしたしね。ところが日を跨ぐという計算外の大炎上になってしまった(笑)。

――ちなみに15日のWBC日本vsイスラエル戦も『プロレス総選挙』と同じくテレビ朝日で放送されたんですけど、放送枠は21時51分まで。テレ朝は最初からゴールデンの放映は無理だとわかってたとしか思えない。

 それなのになぜ『プロレス総選挙』だけ21時開始に拘ったのかといえば……。

――『プロレス総選挙』の予定開始時刻をあえて21時にしたのは「プロレスがゴールデンタイムに復活!」という売りを作りたかったということなんでしょうね。

 おそらくそうかもね。それはつまり今後の物語として「念願のゴールデン!」という布石だったってことだよね。今回の騒動で「次こそはゴールデンで……」とプロレスファンを煽ったわけだ。

――だと思うんです。新日本プロレスの会長の木谷(高明)さんが「21時から間もなくです。プロレス総選挙。観ながらツイッターで呟くのもお願いします。よろしくお願いします」「新日本プロレスのいやプロレスの未来(マスに広がる可能性)がかかっています。よろしくお願いします」ってツイートしてたのも、わざとやってたと思ってます!

 木谷さんがホントに21時に始まると思っていたらヤバイだろ!!(笑)。

――『プロレス総選挙』はWBCの高視聴率を受け継いだこともあって深夜枠ながら4・8パーセントという高い数字。ファンからすれば「ゴールデンでやっていれば……」という思いも強くなりましたし、テレビ局としても手応えはあった。ちなみ今クールでナンバーワンの面白さと評判なのに、数字に結びつかないドラマ『カルテット』もWBCの追い風で10%超えしていますから、『カルテット』ファンのボクもバンザイですよ! 

 次に繋げる戦略としても今回の『プロレス総選挙』は大成功だったわけだけど。ランキング自体に不満がこぼす人は多いよね。キミもツイッターで憤慨してたでしょ?  

――いや、ランキングの順位自体には文句はないですよ。あんなものは意見が割れるに決まってます。

 まあプロレスファンの数だけランキングがあるわけだし、“理想のランキング”って難しいよね。

――いや、問題はその“理想のランキング”とやらなんですよ!

 どういうこと?

――「あのレスラーが入ってない!おかしい!!」という批判に対して「皆が納得するランキングなんかできない!!(キリッ」という感じで擁護する声もありますけど、この番組って「現役・OBレスラー200人&ファン1万人がガチで投票!プロレス総選挙」という謳い文句だったじゃないですか。オールタイムベスト20を番組が選んだんじゃなくて、「ガチで投票」でベスト20を決めたという体なんです。



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