格闘技ライターの橋本宗洋氏をゲストに配信されたDropkickニコ生配信。その一部を再構成してお送りいたします！テーマは「RIZINはなぜ五味隆典に拘ったのか」「RIZINキックの意義を妄想する」です！（聞き手／ジャン斉藤）



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――橋本さんは、五味隆典vs矢地祐介、神取忍vsギャビ・ガルシア、RIZINキックトーナメントが発表された記者会見には来てなかったですよね。

橋本　ほかの取材があったんだよ。五味vs矢地はやっぱりやるんだね。

――榊原さんはなかなかカードが決まらなかった理由として「9月にUFCの試合があったばかりなので、コンディションを確認していたから……」という感じのコメントだったんですけど。本当はずいぶん前に五味ちゃんのカード発表会見をやるということでリリースも来てたじゃないですか。

橋本　一度は会見やるという話だったよね。

――そうしたら会見前日かなんかに「会見中止」の案内が来て。矢地祐介選手がツイッターで「一度はやると言ったじゃねえかよ！」って五味ちゃんに絡むという。

橋本　会見はどんな感じだったの？

――いやあ、今回の記者会見映像は必見ですよ。とくに高田本部長。五味vs矢地戦が実現することが「いかに凄いことか！」を10分間に渡って熱弁を振るうという。「いまから日本のメイウェザーvsマクレガーが始まるぜ!!」くらいの煽り方で。

橋本　ホントかよ（笑）。

――五味vs矢地戦って、ひとつのカードとしてはあっても全然おかしくはないんですけど。

橋本　これは意地悪な見方かもしれないけど、本部長にとって「俺でもわかる！」ってカードだと思うんだよね。

――あー、わかります。榊原さん、高田本部長、五味ちゃんって、“PRIDEの時計”が止まってるというか、あのときの決着がまだついていない３人だと思うんですね。どういうことかというと、榊原さんと高田本部長にとっては、五味隆典をスターにさせることができなかった無念さがある。五味ちゃんがゴールデンタイムで活躍する前にPRIDEが消滅してしまった。

橋本　いよいよ『PRIDE武士道』がゴールデンに！　というときにフジテレビショックが起きてしまったんだよね。

――榊原さんの右腕だった加藤（浩之）さんが『やれんのか! 大晦日! 2007』をやったときに、かつては昵懇の間柄だった加藤さんとの関係が良くなかったから五味ちゃんは『やれんのか!』には出なかった。でも、あのとき高田本部長がスポークスマンとして再び表に出る理由として、ヒョードルと五味ちゃんが出るならば……という話だったはず。あの２人が出るなら、PRIDE統括本部長として“PRIDE卒業イベント”に出ていく大義名分があると。

橋本　PRIDEの象徴だった２人が出るならってことね。それこそ“RIZINの３本の矢”じゃないけど、五味隆典は決着を付けないといけないものだったんだろうね。

――“RIZINの３本の矢”……って、もうなんのこっちゃ忘れましたよ！（笑）。榊原さんたちには五味ちゃんに対して深い思い入れはあるんでしょうけど、５連続１ラウンド一本＆KO負けしているファイターをそこまでして……という声は当然あがりますよね。

橋本　新旧交代マッチだけど、はたして乗り越えるべき「旧」になりきれてるのか？というね。

――五味隆典の評価はべつとして、正直ライト級より上の階級はタレント不足だったりするんでしょうね。矢地選手の相手って凄く難しい……。

橋本　クロン・グレイシーvs矢地になるのかっていうと、そんな雰囲気でもないし。

――クロンはファイトマネーがメチャクチャ高いみたいですもんね。無駄に選手を囲い込むことでおなじみのONE FCが手を引くってどんだけ高額なんだ!?っていう。

橋本　これは日本のMMAイベントの問題というか限界で、ある程度のクラスまで上がったら誰とやればいいのか……っていう壁ができちゃってるんですよ。




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