唐突に更新する「ジャン斉藤のMahjong Martial Artas」――今回のテーマは金子達仁『プライド』……高田延彦が語った「ロープつかみ」の真実です!


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ノンフィクション作家・金子達仁氏が高田延彦vsヒクソングレイシーの舞台裏を追った『プライド』が12月13日に幻冬舎から出版されました。めったに過去を振り返らない高田延彦を始め、関係者を総力取材したとの煽りだったので、かなり期待していたんですが、が、が……が!!

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ネタバレになるのでここでは触れませんが、金子氏に“ある事実”が知らされるシーンで本書はひとつのクライマックスを迎えます。その“ある事実”を読んだボクはなぜそんなことで大興奮できるか理解できず失笑してしまったんですが……しばらく考えて「これは高田延彦と榊原信行氏の友情物語として捉えればありなんだな。うん、そうなんだあああ!」と無理矢理に思い直した次第です。感動できるか、失笑するか――。そんな『プライド』の感想は今週日曜日のニコ生(http://ch.nicovideo.jp/dropkick/live)でしゃべらせていただきますが、本書には以前にDropkickで取り上げた「高田延彦はロープつかみNGを本当に知らなかったのか?」にも触れられていたので、その件について報告します。

長年に渡って謎だった「高田延彦のロープつかみ」問題。PRIDE.1で高田延彦はヒクソンのタックルをロープをつかむことで防ぎましたが、レフェリーの島田裕二から反則だとして注意を与えられます。あと1回の注意で反則負けとなる高田延彦はロープつかみが反則だと知らなかったと言われてきました。そのときの様子を高田陣営の一員として金原弘光選手はこう振り返っています。

金原 最大の誤算は、ロープつかみの禁止だよね。試合中に注意されたことで高田さんはかなり動揺しちゃったんだと思う。

――ロープつかみの禁止を事前に知らなかったんですか?

金原 知らなかった。

――……ホントですか? 

金原 と思うよ。試合直前に高田さんと柔術の先生、俺らでミーティングがあったんだよね。

――いわゆる戦略会議ってやつですね。

金原 それは試合の何日か前。先生が「絶対に寝技になるな」「自分が上になってもすぐに立て。打撃で勝負しろ」ってそれしか言わないの。俺はそれを聞いていて「なんかイヤだなあ……」って思ってたんだけど。「じゃあ寝技にならないにはどうすればいいか」って話になったときに、テイクダウンをされなければいい。だから高田さん、試合開始と同時に低く構えたでしょ。

――ガニ股気味に構えましたね。

金原 ヒクソンに組まれて寝技に持ち込まれそうになったら、ロープをつかめばいいと。ルールもグレーな状態だったからその作戦が決まったんだよ。

――試合直前なのにルールはグレーだったんですか?

金原 とくに決まってなかった。「ロープをつかんではいけない」とハッキリと決まっていなかったから、そのグレーをうまく利用しようという話になった。

――たしかに禁止と決まっていたらそんな戦法は取らないですよね。

金原 うん。ロープをつかめばテイクダウンをされないし、ヒクソンが疲れたところで最後は打撃でKOを狙おう、と。

――でも、試合では、高田さんがロープをつかんだら、レフェリーは注意しましたよね。

金原 そうなんだよ。あれが大誤算だった。

――ロープつかみの際、ヒクソンも激昂した。これはつまり禁止と決まっていたから怒ったんだと思うんですけど。

金原 高田さんたちがロープつかみの件について、主催者やレフェリーに確認をしていたかどうかはわからない。でも、俺らキングダムサイドはOKという認識だった。


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