「戦いで大事なのは、体の大きさではない。腹の中にある闘志の大きさが大事なのだ」とは、かのマーク・トウェインの言葉だ。
たしかに人並み外れた巨漢選手のぶつかり合いは、プロレスの醍醐味であるのは間違いない。子供の頃に見た、アンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディ、ハルク・ホーガンら、重量級選手の試合には、いつもワクワクさせられたものだ。いまでも「エース・ロメロみたいな動けるおデブちゃんが好き!」「やっぱり大きな選手が最高!」というプロレスファンは私のまわりにもたくさんいる。そんな体の大きい選手が当然目立つプロレス界で、突如登場した子供のように小さな選手が米インディー界を騒がせている。
9月1日に開催されたCodyとヤングバックス主催のインディースーパーショー『ALL IN』。集まった11,263人もの大観衆とネット配信を見ていた何万人もの視聴者の中には、「この少年は誰だ?」と目が釘付けになった人もいたのではないだろうか。
新日本プロレスやROH、PWGなどで活躍中の有名選手が勢揃いした参加者と共に、見たこともない、まるで少年のような小さなプロレスラー “ミスター・ファン・サイズ”こと、マルコ・スタントがそこにいたからだ。身長155センチ、ふわふわパーマヘアースタイルが特徴的な22歳。「マルコ少年」とでも呼びたくなるような、あどけない容姿は、プロレスラーというよりは、いたずらっ子のようで目を惹かれてしまう。それまで無名だった彼に『ALL IN』への参戦依頼が来たのは、大会開催直前のことだった。
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