来年2019年4月6日にプロレスの殿堂、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(以下、MSG)で、米インディー団体ROH(Ring of Honor)が、新日本プロレスと「G1 SUPERCARD」を共同開催する。そのニュースを耳にしたとき、2002年2月にフィラデルフィアで、わずか数百人ほどの観客で始まったROHがついにここまで来たか……と感慨深いものがあった。
ROHがニューヨークの中心部マンハッタンに初進出したのは、設立3年後の2005年、MSGのすぐ近くにあるホテルニューヨーカーのイベントルームでのことだった。翌年には、その隣にあるWWEのRAW第1回放送開催の地として知られるマンハッタン・センターの小ホールに進出するや、その後、大ホールのハマースタイン・ボールルームでの開催も経て、最終的に1000人以上の観客を集めるほどになっていた。これまで数々の名勝負、王座移動劇が行われてきたニューヨーク・マンハッタン8番街34丁目界隈は、ROHにとって、“聖地”のひとつであった。
Codyとヤングバックスは、今年9月1日にシカゴで、インディーショーとしては異例の観客1万人を集める『ALL IN』を開催する。6月2日にマンハッタンセンターで開催されたROHの大会で、彼らは1ブロック離れたMSGで、『ALL IN 2』を開催するかもしれないと発言した。
何十年にも渡り、独占状態が続いていたWWEとMSGの関係に入り込む余地があったのだろう。今回のMSG開催を進めてきたROHのゼネラルマネージャーである、グレッグ・ギルランド氏に話を聞くことができた。
ギルランド 「今年の2月、来年のレッスルマニアがニュージャージーのメットライフ・スタジアムで開催されることを聞き、その近辺でROHが“裏レッスルマニア”大会を開催できるような大きな会場を探し始めました。なかなか見つけることができずに時間だけが過ぎていきました。
ROH最大となる6千人もの観客を動員した4月のニューオーリンズ大会を越える会場をと考えるようになりました。最初は収容人員約5千人の小ホール『マジソン・スクエア・ガーデン・シアター』を打診していたのですが、新日本プロレスと協力すれば、収容人員2万人のアリーナ『マジソン・スクエア・ガーデン』を使うことも可能ですし、新たな歴史を作るための絶好のチャンスだと思いました。
WWEがMSG開催を妨害したのは、COOのジョー・コフによると、100パーセント事実だそうです。ビジネスはビジネスです。最も重要なのは、プロレスファンが、本当に来年4月6日の『G1 SUPERCARD』MSG大会を見たいかどうかということです。興行戦争かどうかは関係なく、ただプロレスファンが見たいものを提供するのが、我々の使命だと思っています」
ギルランドはあくまでファン重視でいながら、当事者として前向きで強い意気込みを語ってくれた。
また、もう一人、以前ROH社員でもあり、現在はGCWなどでリングアナウンサーを務めている、米インディー界の事情通でもあるラリー・レジェンド氏にも話を聞いてみた。
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コメント
コメントを書くジーンとくる話。
『プロレスバカ』も空から心配しつつ楽しみにしてるんじゃないかな。