女子格闘技黎明期から活躍し、トップファイターとして君臨。出産を機に試合から遠ざかっていたDEEP女子フライ級王者しなしさとこが6年ぶりにDEEPのリングに戻ってくることになった。インタビューでは今回復帰を決意した理由を中心に“ママさんファイター”の苦労などを語っていただきました!!
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――10月26日のDEEP TDCホール大会で08年10月以来、6年ぶりの復帰戦を行なうわけですが、実質引退されてると思っていたのでビックリしました!
――ハハハハハハ! しなし選手は出産を機に格闘技活動をお休みになって。DEEP代表の佐伯さんは「産休・育児休暇扱い」としてDEEP女子フライ級王座防衛期限に1年間の猶予を与えてましたね。
しなし はい。わたしも1年で復帰する予定だったんですけど、出産が“生き死に”になってしまったんです。切迫早産だったから体調も悪くて、妊娠8ヶ月から入院生活を2ヵ月間も送ってたんですよね。
――2ヵ月ってずいぶんと長いですね。
しなし いつ生まれてくるかわからないのでトイレ以外、病室から出ちゃいけないんです。出産したときも緊急帝王切開で大出血しちゃって。貧血の数値が酷くて出産後も1ヵ月入院。都合3ヵ月も入院してたんですよ。
――そんな状態だったら、しばらく休養は必要になりますね。
しなし 体調も悪くて1年くらいは外にあまり出られなかったというか。そんな状態だったので格闘技どころじゃなかったですし、やっぱり育児と同時に格闘技をやるのは難しいですよね。だって育児はいましかできないことじゃないですか。やっぱり乳飲み子を放ってはできないですから。
――今回は格闘技に復帰できる環境が整ったということなんですか?
しなし いや、わたしは今年で37歳ですし、ここで復帰しないともう無理だろうなって思ったんです。6年遠ざかるってかなりヤバイですよねぇ。
――6年間、練習らしきことはやってなかったんですか?
しなし まったくやってないです(笑)。
――なるほど(笑)。となると6年という空白は怖いですよね。
しなし どうなんですかねぇ……(苦笑)。正直怖い気持ちもあるし、それと同じくらい楽しみもあるし。
――しかし、よくご主人は復帰を了承しましたね。
しなし 相談したのがちょうど半年くらい前ですかね。相談といっても「今年復帰しないともうできないから、わたしはやる!」と言ったんですけど。ウフフフ。
――あ、決定事項の報告(笑)。
しなし わたしが一度言い出したら聞かないことを知ってるので。「ケガだけはしないでくれ」とは言われました。
――いや、本当に心配されてると思いますよ。
しなし 怖いですよねー。眼窩底骨折も1回やってるから。だけど、自分自身に挑戦したい気持ちが強くって。私は家事があまり得意ではないですけど、それなりにやってきたんですね(苦笑)。でも、普通の毎日が物足りなくなってきたんです。人生の半分は格闘技をやってきてますから。
――柔道、サンボ、総合格闘技と。
しなし 15歳から柔道をやっていて、サンボにしろ総合にしろ常に何かしら目標があったので。結婚して出産してから、目標がない毎日で「こんなんでいいのかな……」って疑問に思っちゃって。
――お子さんが5歳になったことで、だいぶ手がかからくなったこともあるんですかね。
しなし それもありますかね。子供が幼稚園に通うようになってから午前中に時間ができたりして。それなりに楽しい毎日ではあったんですよ。友達とランチしたり。いま思えば優雅ですよねー。ウフフフフ。
――それがお昼のランチから顔面パンチに(笑)。
しなし 育児に必死だったときは何にも思わなかったんですよ。子供が1歳や2歳になるにつれ「復帰したい」という気持ちは高まっていったんですけど、そのタイミングがなかなか……この子を連れて練習には毎日は行けないなあって。格闘技ジムって子供を練習に連れてきてもOKという雰囲気ではないと思うんですよね。子供がギャンギャン泣いていたら迷惑になりますし、私は働いてなかったので保育園には預けられませんでしたし。
――男子格闘家とは育児事情が違いますねぇ。
しなし 男は作るだけですから!(笑)。もちろん家庭があることは男子格闘家にとっても大きいですけど。いまは子供を保育園まで迎えに行って、義母に預けて、練習に行って、また子供を迎えに行って、家に帰って食事して寝る(笑)。その繰り返しでプライベートは一切ないですね。
――家庭を持つと現役のハードルは高くなるわけですね。
しなし いま瀧本美咲ちゃんと週2回マンツーマンで練習してるんですけど。瀧本美咲ちゃんも1年くらい試合をしてなくて。試合をするとなると仕事が難しくなるって言っていたから。彼女も女子格闘技の初期から頑張ってるメンバーで凄く強いんですけどね。
――女子格闘家って男子よりリングから早目に遠ざかりますね。
しなし 原因は明確だと思うんです。あと、いまは海外の試合も増えてますけど、私が総合を始めた当初はスマックガールしかなかったんですよ。そこでみんな一番を目指しますけど、そこでチャンピオンになっても「あれ? イメージしていたのと違う……」みたいな。
――当時は大金を稼げるわけではなかったですし。
しなし そうそう。マスコミが取り上げてくれるといっても専門誌くらいじゃないですか。そうすると雑念が入ってくるんじゃないですかね。女の子の場合は恋愛もしたい、結婚もしたい、出産もしたいと。それに結婚する相手によって格闘技を続けることができるかどうかも違ってきますし。
――そういえば、佐伯さんは、しなし選手が結婚されたときに「1年持たない!絶対に別れる!!」と断言してましたね(笑)。
このインタビューの続きと、中野巽耀、高瀬大樹、阿修羅・原、桜田一男、佐伯繁、佐野哲也のインタビューも合わせて読める詰め合わせセットはコチラ!
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