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  • 2024年4月10日号:ニュースに一言

    2024-04-10 21:44  
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    ●大阪の私立高校に通う当時2年生の男子生徒が自殺したのは教師らの不適切な指導が原因だとして、両親が学校に対し約1億円の損害賠償を求める訴えを起こしたというニュースがありました。
    この生徒は2021年12月の期末試験でカンニングが見つかり、全科目0点、8日間の自宅謹慎、反省文の提出などの処分を受けました。そして、その2日後に、カンニング発覚後の指導の中で教師たちが試験前の朝礼で副校長が「カンニングは卑怯者がする行為」と話していたことを引き合いに出したことで、生徒は「このまま周りから卑怯者と思われながら生きていくのが怖い」という遺書を残し自ら命を絶ったのです。それに対して「先生が卑怯者とさえ言わなければ・・・」と提訴するのですから訴えられる先生たちも困惑しきりでしょう。
    大切な息子を失った親の悲しみは痛いほどわかります。しかし、記事を読む限り学校側の指導に行き過ぎは感じられません。いきなり指導室で「この卑怯者が・・・」と罵倒したのならまだしも、事前に「カンニングするのは卑怯者」と言っていたのにもかかわらずそれをした生徒に「それをした君は卑怯者」と言ってどこが悪いのでしょう。
    副校長の訓示には言外に「君たちは卑怯者になるな」という意味が含まれていたはずです。厳しいようですが卑怯者になりたくなければカンニングなんかしなければ良かっただけです。自らの非を棚に上げて「先生のせい」はいただけません。
    そもそもこの高校は頭髪チェックなど厳しい生活指導で知られています。そんな高校で人の道に外れた行為をすれば厳しい罰を受けることくらい事前にわかって入学したはずです。それが嫌なら校則の緩やかな学校を選べばいいのです(と言ったところでカンニングOKの高校なんてどこを探してもないでしょうが)。なにより悪いことをした生徒を叱って“怒られる”先生たちは大変です。
    “若いときの苦労は買ってでもせよ”という言葉があります。社会に出たら理不尽なこと、いやな事、努力せざるを得ないことが山ほどありますが、叱られたことがない、いやな事をされたことがない、頑張ったことのない子供たちはどんな大人になることやら。もっともこんな爺さんの心配なんて何でもかんでも“ハラスメント”と叫べば言ったもの勝ちになる世の中では大きなお世話かもしれませんが。


    ●長野県飯山市の市長がSNSで下水道にマスクを捨てる人を「人間が腐ってきている」と発信したことで謝罪に追い込まれたというニュースがありました。
    この市長は市内の下水道に不織布マスクや下着が流されていることを憂慮し「どういう神経をしているんだ、人間が~」と苦言を呈していました。それに対し「腐るとは何事や、人権侵害だ」とクレームがついたというのですから呆れます。下水道に水に溶けないものを混入させることはポンプの故障などの原因となり、その修理には莫大な金額が必要となります。その費用はもちろん税金から支払われますので、ごく少数の不届き者のために多くの善良な市民が害を被ることになるのです。
    そんな子供でも分かることを平気でするのは“頭のおかしい”人間以外にはいません。頭がおかしい=脳みそが腐っている=人間が腐っている・・・どこに問題があるのでしょう。市長として言うべきことを、それも事実であるにもかかわらず言えないとしたら「市長は一切ものを言うな」と同じです。
    市長は「品位を疑われるような表現があった」と謝罪し投稿を削除しましたが、“人権”という言葉を盾にして一方的に言論を封殺することは絶対に許せません。そもそも“品位”ってなんでしょう。「公人が耳障りのする言葉を使うのはけしからん」というのだとしても、今回の場合は不届き者を諌めるためにはあえて厳しい言葉が必要でもありました。
    わたしは“クズ”という言葉をよく使いますが、それは“クズ”が対象を最も端的に表しており聞き手に伝わりやすいと考えるからです。言葉尻を捕らえてばかりでは本質を見誤ります。今回の批判者が責めるべきは市長でなく、彼にそう言わざるを得なくした人たちの方だったのではないでしょうか。


    ●アメリカの空港でチケットを持たずに旅客機に乗り込んだ男が捕まったというニュースがありました。この男はスキーをするために訪れたユタ州から地元のテキサスにサウスウエスト航空の同伴者無料パスを使って戻ろうとしましたが、あいにく満席だったためパスを使って保安検査場を通過し出発ゲートでキャンセル待ちをしていました。しかし、待てど暮らせど一向に空きが出ず遂に飛行機は男を置いて飛び立ってしまいました。
    普通の人間ならそこであきらめて出直すところですが、なんと彼はチケットが無いにもかかわらず同じ行き先というだけでデルタ航空に乗ってやろうと決心するのですからとんでもない男です。
    といっても搭乗券がないのですんなりとゲートを通るわけにはいきません。そこで彼は一計を案じました。なんと他人の正規の航空券を盗撮し、それを使おうというのです。最近では紙の搭乗券を持っていなくても、スマホに情報さえ入れておけばそれをかざすだけでゲートを通過できます。男はそこに目をつけたのです。
    そうはいっても赤の他人に「ちょっとチケットを見せて」なんて言えば怪しまれること間違いありません。苦労のすえ、最終的に一人の子供がチケットをひらひらさせているのを見つけ、その撮影に成功しようやくゲートを通ることが出来ました。そのあとにゲートに現れた子供のチケットは当然「使用済み」と表示されましたが、子供だけ乗せないわけにもいかず「機械のエラー」だと判断され何事もなかったように出発準備は進みました。
    機内に入った男はトイレに隠れ、全員が乗り込んだ後に空いている席に座ろうと出てきましたが悪いことはできません。なんとこの便も満席だったためどこにも座る席がなかったのです。そして、機内をうろうろしているところを客室乗務員に見つかりご用となったのです。
    前代未聞の出来事ですがこれは遠い外国だけの話ではなく、日本でも類似の犯罪が報告されています。最近ではコンビニでスマホ決済をする人が増えています。多くの人は会計をスムーズに行なうためレジ待ちの間にスマホ画面にバーコードを準備しますが、その画面を盗撮し他人のバーコードで何食わぬ顔をして支払いをする悪党がいるのです。もう油断も隙もあったものではありません。
    スマホは電話、テレビ、お財布から百科事典にいたるまであらゆる用件をそれひとつでまかなえる非常に便利なものです。それだけにその管理には細心の注意が必要だと教えられたニュースでした。


    ●京都大学が2026年4月入学の入試から理学部と工学部の理系2学部で「女子枠」を設けるというニュースがありました。この措置により現在、理学部7・9%、工学部10・1%の女子比率をどちらも15%まで引き上げようというのです。
    京大総長は「女性が理工系に向いていないというのは幻想」「彼女らの希望に応じてチャレンジできる制度を作らないといけない」と話していますが、本来公平でなければならない入学試験に男女で差をつけるのはいかがなものでしょうか。「女に学問はいらん!」という時代じゃあるまいし、現代では女性であろうと希望すればどんな学校にも進学できますし、またどんな職業にも就くことができます。いまさら“チャレンジできる制度”なんていらないでしょう。さらに高校生の学力を男女で比べると、女性のほうが優秀だともいわれています。難関といわれる“医科大学”で「成績順で合格者を決めたら女学生ばかりになってしまう」と男子受験生にゲタをはかせるところもあったくらいです。
    ですから理学部であろうと工学部であろうと“女性だから”合格点に達しないなんてことはないはずです。にもかかわらず女性の数が少ないのは彼女らが「そこで学びたい」と希望していないからです。本当に女学生を増やしたいと思うのなら女子枠を作るのではなく、そこを彼女たちにとって魅力のある場所にすることのほうこそが重要なのです。
    そもそも、なぜ理系学部の女子比率を上げなければならないのでしょうか。男女平等といっても何もかも同じにする必要はありませんし、できません。性別によって出来る事、向き不向きは間違いなくあります。それを無理やり変える意味がわかりません。なにより、男女平等と言いながら女子だけの特別枠を設けることは「女はバカだから大目に見てやる」にほかならず、これ以上の女性蔑視はありません。


    ●東京・品川~名古屋間を最短40分で結ぶリニア中央新幹線の開業が当初予定していた2027年から大幅に遅れる見込みをJR東海が示しました。いや、正確には2027年開通を諦めたと言ったほうがいいでしょう。その理由が南アルプストンネルの工事を静岡県が認めず着工できないからといいますからとんでもないことです。
    同トンネルは全長25キロに及び、貫通までは最短でも10年を要する中央新幹線全路線の中でも最難関工区でそのうち静岡工区は8・9キロです。工事契約は2017年11月に締結されていましたが、それから6年以上が経過しても川勝静岡県知事が「やれトンネルから排出された残土が置き場から崩れる」「大井川の水が干上がる」など荒唐無稽な言いがかりをつけ着工できていません。たった8・9キロために国家的事業がストップしているのです。
    リニアの開通は沿線に莫大な利益をもたらします。2027年に向けて各地では着々と準備を進めてきましたが、それも静岡県のせいで金だけ使って恩恵のない状況が延々と続き回収はいつになるのかわかりません。
    リニア中央新幹線は海側を通る東海道新幹線の代替線としても期待されていました。代替線がないまま南海トラフ地震が発生すれば日本の機能がすべてストップしてしまい大混乱を引き起こします。そうしないためにも一日も早く完成させなければならないのに、それも静岡県のせいでいつになるのかわかりません。
    さらにリニア中央新幹線の開業は世界最初のリニアモーターカーとしてアピールでき、それはその後に全世界に対し技術を売り込むための材料となり、それによる国益は計り知れません。かつてリニアの開発は日本の独壇場でしたが、現在では中国が激しく追い上げてきています。リニア中央新幹線の開業が遅れて喜ぶのは“なんとしても世界初の称号が欲しい”中国です。工事の遅れはすなわち中国を利することにほかなりません。川勝知事の邪魔が自身の意思なのか、あるいは中国の命令によるものなのかは定かではありませんが、結果的に彼が国賊となっていることだけは間違いありません。
    1964年、東海道新幹線が開通したとき人々はそれを“夢の超特急”と呼びました。それから60年、さらなる技術の進歩で作り上げた世界に誇るリニアモーターカーがたったひとりの男のせいで“夢”に終わるのはだけ絶対に避けなければなりません。

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