-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その8(2,126字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 106ヶ月前
『ジャポニズム』明治維新(一八六八年)より少し前の一八五九年から、日本は鎖国を解いて開港し、諸外国との貿易を再開した。すると、さまざまな輸入品が押し寄せると同時に、貿易商たちはさまざまなものを買っていって、外国に売ってもいった。そのとき、貿易商たちは最初は日本の海産物や農作物を買っていった。それ...
-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その7(1,919字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 106ヶ月前
『日本人は盗む』日本の美的感覚を大きく変化させるできごとが、一九世紀の後半に起きた。明治維新だ。明治維新は、日本の美的感覚のみならず、さまざまなものを変化させた。まず、明治維新によって西洋の文化が日本に入ってきた。それも、雪崩を打って入ってきた。まるで洪水のように押し寄せてきた。日本人は、それを...
-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その6(1,639字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 106ヶ月前
日本人と絵の関係:その1「江戸時代に花開いた庶民文化としての絵」日本という国は、ある統計によると「人口における絵描き」の比率が最も高いのだそうである。絵を描くことを職業とする人がどの国よりも多い。これが、日本人の絵、あるいは絵描きに対する独特の感情につながっている。日本では、絵、あるいは絵描きが多...
-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その5(2,138字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 107ヶ月前
続いて、日本人が「辺境の民」であるということについて。日本という国は、古来より自分たちを「辺境の民」と位置づけてきた。それは、中国との関係によるところが大きい。大陸に位置する大国の中国が、自分たちを「世界の中心(中華)」と位置づけたのに対し、島国であり小国である日本は、自分たちを「辺境の民」と位...
-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その4(2,078字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 107ヶ月前
続いて、日本の「自然環境の変化の激しさ」について。日本という国は、自然環境の変化が激しい。春夏秋冬、四季の移ろいが明確にあり、夏は熱帯のような猛暑で、冬は雪国のような極寒だ。また、植物が豊富に棲息しているため、それらが織りなす四季の彩りもある。春には桜をはじめとする花々が各所で咲き乱れ、秋には紅...
-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その3(2,187字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 107ヶ月前
ここからは、日本固有の美が生まれた前提条件をさらに詳しく見ていきたい。まずは、日本の国土の「有限性」――つまり「狭さ」について。日本は、いわゆる大陸ではなく島国である。しかも縦に長い(細い)ので、どんな場所からでも二日も歩き続ければ海に出る。そして海は、そこで生きる人に「境界」というものを意識させ...
-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その2(1,682字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 107ヶ月前
この他にも、さらに二つの地理的条件が、「日本固有の美的感覚」を育んだり「日本的な美」を生み出したりすることと深い相関関係にある。 一つは、「天変地異が多い」ということ。地震や火山、津波、台風などがその代表だが、大雨による土砂崩れや、乾燥による火事などにも見舞われる。日本の気候はとにかくころころ...
-
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その1(1,658字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 107ヶ月前
序章 日本のプロダクトがグローバルな市場において価値を持つことたびたびある。古くは『源氏物語』などの文学。絵画や陶芸、建築などの日本美術。戦後の家電製品や自動車。そして最近のマンガ、アニメ、ゲーム。 これらには、共通する一つの特徴がある。それは、いずれも「日本固有の美的感覚に則って作られている」...