ハックルベリーに会いに行く
続いて、日本人が「辺境の民」であるということについて。
日本という国は、古来より自分たちを「辺境の民」と位置づけてきた。それは、中国との関係によるところが大きい。大陸に位置する大国の中国が、自分たちを「世界の中心(中華)」と位置づけたのに対し、島国であり小国である日本は、自分たちを「辺境の民」と位置づけたのだ。
それゆえ、日本人には「辺境の民」ならではの美意識が根底に流れている。
例えば、必ずしも「一番」をよしとしない。それよりも、二番であることに価値を見出したりする。それは、古田織部が提唱した「乙」という言葉に象徴される。
「乙」とは、文字通り「二番目」ということである。「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」という十干の二番目に位置するこの言葉こそ、本当に価値があるというわけだ。
「乙」という価値を表す言葉の一つに「いぶし銀」がある。これは、一番である金に対し、銀は輝きは劣っているかもしれないが、しか
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