ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その2(1,682字)
この他にも、さらに二つの地理的条件が、「日本固有の美的感覚」を育んだり「日本的な美」を生み出したりすることと深い相関関係にある。
一つは、「天変地異が多い」ということ。地震や火山、津波、台風などがその代表だが、大雨による土砂崩れや、乾燥による火事などにも見舞われる。日本の気候はとにかくころころと移ろいやすく、変化による被害を避けられない。
そこで日本人は、そうした変化に対抗するのではなく、むしろ順応するような文化を築き上げてきた。代表的なのは、その住居に対する考え方である。日本人は、建造物を「永続するもの」とは考えず、むしろ「使い捨てるもの」と考える。そのため、手軽で簡便な建築工法が発達し、そういう家での住まい方を洗練させてきた。
その象徴ともいえるのが、伊勢神宮の「遷宮」という有り様である。伊勢神宮は、原則的に二〇年おきに社殿を作り替える。これは、建築というのは天変地異に際して壊
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。