「ちゃんとできない」という才能
【風呂に入れ?】
風呂に入らない人がいる。
こういう人達はある時期からずっと「迷惑な人達」と言われている。
「モテたいならまず風呂に入れ」とみんな言う。
風呂は気持ちいいし、清潔さは恋愛の基本。それくらいはできるだろう、という話だ。
でも世の中には「それくらいの事」ができない人達がいる。
確かに「臭い人」と付き合うのはきつい。
最低限迷惑をかけない程度には清潔でいて欲しい。
でも「清潔でおしゃれな自分でいること」だけが大切な事だろうか?
・・とも思う。
【自分のことより大事なものがある人達】
70年代までの男達は「自分の身なりよりも大事な事がある」と思っている人達が多かった。
有名なのは松本零士さんの風呂嫌いだけど、トキワ荘の人達にも「風呂はめんどくさい」という人達がいる。
「そんな事(風呂)より国の未来を考える方が重要ではないか!」
という高潔な人達も確かにいただろう。
でも実際は
「そんな事よりも漫画を読んだり描いたりしたい」
「そんな事よりもアニメ見たり模型作ったり写真の現像もしたいし、レコーディングも撮影もしたいし、今の映画も昔の映画も観たい、野球も相撲も釣りも鉄道模型も昆虫採集も気になる」みたいな人達が多かったのだと思う。
そして「こういうクリエイター」は今もいるし庵野秀明さんはその代表格だ。
庵野さんは肉や魚を食べないので、普通の人よりは「臭くなかった」そうなのだけど、とにかく風呂に入らなかったらしい。
あの80年代おしゃれ思想の中心にいた坂本龍一さんも、かつては「お風呂入らない族」だった。
坂本龍一さんの元奥さんだった矢野顕子さんは「もう臭いの!お風呂入んないの」と、当時の坂本さんについて語っている。
【夢中の人】