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山田玲司のヤングサンデー 第336号 2021/4/5

「ちゃんとできない」という才能

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【風呂に入れ?】


風呂に入らない人がいる。

こういう人達はある時期からずっと「迷惑な人達」と言われている。


「モテたいならまず風呂に入れ」とみんな言う。


風呂は気持ちいいし、清潔さは恋愛の基本。それくらいはできるだろう、という話だ。


でも世の中には「それくらいの事」ができない人達がいる。



確かに「臭い人」と付き合うのはきつい。

最低限迷惑をかけない程度には清潔でいて欲しい。



でも「清潔でおしゃれな自分でいること」だけが大切な事だろうか?


・・とも思う。




【自分のことより大事なものがある人達】


70年代までの男達は「自分の身なりよりも大事な事がある」と思っている人達が多かった。


有名なのは松本零士さんの風呂嫌いだけど、トキワ荘の人達にも「風呂はめんどくさい」という人達がいる。


「そんな事(風呂)より国の未来を考える方が重要ではないか!」

という高潔な人達も確かにいただろう。


でも実際は


「そんな事よりも漫画を読んだり描いたりしたい」


「そんな事よりもアニメ見たり模型作ったり写真の現像もしたいし、レコーディングも撮影もしたいし、今の映画も昔の映画も観たい、野球も相撲も釣りも鉄道模型も昆虫採集も気になる」みたいな人達が多かったのだと思う。


そして「こういうクリエイター」は今もいるし庵野秀明さんはその代表格だ。


庵野さんは肉や魚を食べないので、普通の人よりは「臭くなかった」そうなのだけど、とにかく風呂に入らなかったらしい。




あの80年代おしゃれ思想の中心にいた坂本龍一さんも、かつては「お風呂入らない族」だった。


坂本龍一さんの元奥さんだった矢野顕子さんは「もう臭いの!お風呂入んないの」と、当時の坂本さんについて語っている。




【夢中の人】