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18.シロノワール
2022-03-15 19:00会員無料 15中学一年生の頃だった。
二学期が始まって少し経った頃、目に力が入り、息を切らしながら先生は、帰る準備をしなさい、と言った。
迎えに来た両親は父、母の面影はなかった。息子、娘だった。
幼い勘が働いた。
祖母はもうこの世にはいないんだな。
遡り2、3ヶ月前、祖母と熱田神宮にお参りに行った。
祖母と待ち合わせをして落ち合った時、一瞬誰だかわからなかった。いや、解ろうとしなかった。
黒髪姿であったはずが白髪姿で現れた。
髪色なんて変わるだろうと思うがきっと祖母はずっと白髪染めとかしていて黒髪を保っていたはずなのに白髪姿になって、約一年ぶりに会うが、時がものすごく経ってしまったのかと思った。
そんな祖母の姿にどう接すれば良いかわからなかった。
でも弟はいつものようにおばあちゃん!と駆け寄っていった。
私はそれに促されながらその時の精一杯の笑顔で祖母に駆け寄っていった。
それが最後の祖母との思い出だ。
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