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アベノミクス もうけるのは誰―アイフルの福田氏の場合
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アベノミクス もうけるのは誰―アイフルの福田氏の場合

2013-05-11 12:05

    アベノミクス もうけるのは誰

    中小企業犠牲の上に株価が上がるサラ金

    アイフルの福田氏の場合

     「日経新聞電子版」(4月15日付)の38人リストには漏れているのですが、サラ金のアイフルの取締役である福田光秀氏の保有株式の時価総額も、大きく増えています。

     昨年11月には312円だったアイフルの株価は、今年3月末には625円に上昇、さらに4月に入って上昇し、「日経」紙の試算基準時点(4月11日)の株価は859円、大門実紀史参院議員の試算基準時点(4月22日)には930円、そして4月30日には1111円にまで上がっています。4月末時点までの資産増加額は248億円になります。

    父から譲り受け

     福田氏は、同社の創業者で社長の福田吉孝氏の長男で、同社の株価が低迷していた2010年12月に、父と叔父からあわせて3100万株を、1株82円で譲り受けています。譲り受けに必要な資金は25億円あまりになりますが、当時30歳で、まだ同社の役員にも就任していなかった光秀氏に、そんな巨額の資金はありません。25億円全額を父親の吉孝氏から借り入れたことになっています(金融庁に提出された大量保有報告書による)。82円で譲り受けた株が、いまや10倍以上に値上がりしているのです。なお、アイフルの場合も創業者一族の資産管理会社があり、これらを含めた福田家の保有株式全体では700億円以上も時価総額が増えています。

     同じサラ金のアコムの株価も、4月に入って急上昇しています。サラ金の株価が上がるのはなぜでしょうか。

    円滑化法切れて

     金融緩和で金利が下がれば、サラ金の資金調達コストが低下し、利益が増えることが考えられますが、それだけでは株価の急上昇は説明できません。実は、サラ金の株価上昇の背景には、この3月末で中小企業金融円滑化法が期限切れとなったことがあると言われています。同法の期限切れで銀行などの融資審査が厳しくなり、資金繰りに困った中小企業がサラ金に頼ることでサラ金の業績が上がるとみられているのです。

     来年、消費税が増税されれば、価格転嫁が困難な中小企業の中には、消費税の納税のためにサラ金から借金するような事態も広がるかもしれません。中小企業を苦しめる悪政を推進する一方で、その中小企業を食い物にするサラ金にはもうけをもたらす―それが「アベノミクス」の正体です。
    (垣内亮 日本共産党政策委員会)
    (2013年5月10日付)

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