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代表質問 自共対決 くっきり―自民党 民意に背く、共産党 民意受けて
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代表質問 自共対決 くっきり―自民党 民意に背く、共産党 民意受けて

2014-02-01 10:50

    「責任野党」 すり寄る姿にメディアも批判

    55f99ae43666b43c9c7b2668003cec4c12c09330 安倍晋三首相の施政方針演説に対する各党の代表質問(1月28~30日)を通じ「自共対決」がいっそう鮮明になっています。日本共産党は民意を背に安倍政権の暴走政治と正面対決。他の野党はそろって安倍政権への翼賛ぶりを示したのです。

     「訴えることに分かりやすさがあった」

     テレビ朝日系「報道ステーション」で古舘伊知郎キャスターが、こうコメントした共産党・志位和夫委員長の代表質問(29日)。暮らし、経済、原発、米軍基地などの問題で国民の声をぶつけ、政治の転換を提案しました。

     安倍晋三首相は“暴走路線”に居直り、かわす答弁ばかりです。

     志位氏が「働く人の賃金は18カ月連続で減少を続けている」と厚労省発表の数字を突きつけると、首相は「雇用、所得環境が改善するなかで景気は緩やかに回復している」と政府自身の統計を無視。圧倒的な原発廃止の世論に対しては「原発はもうやめたというわけにはいかない」と福島第1原発事故など全く省みない姿勢。民意を背にした共産党、民意に背く安倍自民党の対比がくっきり浮かび上がりました。

     山下芳生書記局長(30日)が、非正規雇用を増やし、将来ある若者を使いつぶすブラック企業をまん延させた責任をただすと、安倍首相は「必要な労働分野の改革を行ってきた」と非正規雇用を拡大してきたことを“改革”と開き直りました。

     他の野党はどうか。

     民主党は矛盾点をつくポーズは示すものの、対決の足場が示せません。その他は対決どころか、安倍首相の呼びかけた、「責任野党」との協議に次々名乗りをあげ、翼賛ぶりをあらわにしました。

     「首相がみんなの党を『責任野党』と正しく理解していることを心から歓迎」(渡辺喜美代表)、「憲法改正、集団的自衛権について胸襟を開いて大いに議論しよう」(日本維新の会・松野頼久国会議員団幹事長)、「『責任政党』として是々非々で行動する」(結いの党・江田憲司代表)。「安易にすり寄っていくのが野党に求められる姿勢だろうか」(「朝日」31日付社説)とメデイアも言わざるをえない状況です。

     共産党は今国会でも「ブラック企業規制法案」を再提出。秘密保護法廃止法案も出します。代表質問で志位、山下両氏は、「経済の好循環」のもたらす「二つの転換」(消費税増税の中止、三つの賃上げ政策)を提起しました。

     共産党の質問に「国民の怒りや不安をいかんなく代弁」(山口県の男性)などの反響が寄せられています。

    おごる自民も政策は支持なく

     「日本から出て行け」「中国に帰れ」

     安倍首相の靖国神社参拝を厳しく批判した志位和夫委員長の代表質問(1月29日)に、衆院本会議場で愚劣なヤジを浴びせ続けたのが自民党の若手議員らです。「言論の府」「国権の最高機関」たる国会をおとしめる振る舞いです。

     ツイッターでも話題となり、「自民党のネトウヨ(=ネット右翼)化かぁ」「野次というよりヘイトスピーチだよ、これ」と懸念の声が上がりました。

     参院で自民党の吉田博美議員は代表質問(30日)の冒頭にこう指摘しました。「自民党が右傾化しているという批判を耳にするが、ご心配に及ばない。右よりの人もいるが、中道もいる。多様性が自民党の特徴であり、長所だ」

     右傾化を批判する世論を意識した物言いで首相の認識を問いましたが、安倍首相は「レッテル貼りは世の常だ」とどこ吹く風です。

     最近の世論調査(共同通信、1月25、26両日実施)では内閣支持率55・9%の一方で、憲法解釈見直しによる集団的自衛権の行使容認に反対が53・8%、原発再稼働反対が60・2%、秘密保護法の修正・廃止を求める人もあわせて74・8%に達します。

     石破茂幹事長でさえ「政権の支持率と個々の政策との支持率には乖離(かいり)があることもまた事実だ」(28日の代表質問)とのべ、暴走に国民的な支持基盤がないことを認めました。

    「責任野党」は翼賛化競い合う

     この状況のもとで、主要な野党はどうか。

     安倍首相が施政方針演説(1月24日)で改憲などを前提に「『責任野党』とは柔軟かつ真しに政策協議を行う」と述べたことに、代表質問でそろって満額に近い「回答」でした。安倍政権の暴走政治への正面対決はみられません。

     みんなの党の渡辺喜美代表は「集団的自衛権」をめぐる議論を「神学論争」と揶揄(やゆ)。行使容認に向けた決意のほどを首相に問い、「真摯かつ柔軟な協力を惜しまない」(29日)とこびています。

     日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長も自党こそ「責任野党」だと誇示し、「憲法改正、集団的自衛権について、胸襟(きょうきん)を開いて大いに議論しよう」(28日)とたき付けました。

     結いの党の江田憲司代表も「責任政党として是々非々で行動する」(29日)と宣言し、格差と貧困を拡大する「構造改革」をあと押ししました。結党初の代表質問なのに「自民党のみなさん。自民党から出てきて一緒に(政界)再編をやりませんか」と糾合をうながす有りさまです。

     通常国会冒頭から「野党が暴走をけしかけている。もはや野党とはいえない」(志位委員長、29日の会見)状態になっています。

     「安倍総理と真正面から対峙(たいじ)」(海江田万里代表、28日)すると豪語した民主党ですが―。集団的自衛権行使では「なぜ解釈改憲を目指すのか」、靖国参拝は「行かないのか、行くのか、明言されてはどうか」など“お伺い質問”の連続です。消費税増税は自ら手をつけたため、低所得者対策を言い出して取り繕うのが精いっぱいでした。

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