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【ワシントン=島田峰隆】米国が核実験を行ってきた南太平洋マーシャル諸島の政府は24日、核保有国が核軍備の縮小、撤廃へ誠実な交渉を行うとした核不拡散条約(NPT)第6条に基づく義務を怠っているとして、核保有国9カ国を、オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)に提訴しました。
9カ国は米英仏中ロの5カ国と、NPT未加盟のイスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮の4カ国。マーシャル諸島は、NPT未加盟国でも「慣習国際法のもとでの核軍縮規定に拘束される」として責任を追及しています。米国についてはサンフランシスコの連邦地方裁判所にも提訴しました。
ロイター通信によると、米政府に対する訴状は「米国は裁判の判決から1年以内に、核軍縮に向けた交渉の要請や招集を行うことを含めて、自らの義務を果たすあらゆる措置をとるべきである」と強調しています。
マーシャル諸島のデブルム外相はこの中で、「わが国の国民は核兵器による壊滅的で回復不可能な打撃を受けてきた。われわれは地球上のほかの誰一人としてこのような残虐行為を二度と経験しないよう、たたかうことを誓う」と述べました。
米国は1946年から58年にかけてマーシャル諸島で67回の核実験を実施。54年にはビキニ環礁での水爆実験で日本のマグロ漁船「第五福竜丸」を含む多数の漁船が被ばくしました。