主張

「政党助成金」

まだもらい続けているのか

 消費税の税率が5%から8%に引き上げられた4月1日、今年の各政党への政党交付金(政党助成金)の金額が発表になりました。お年寄りから赤ちゃんまで国民1人当たり250円の税金を、受け取りを拒否している日本共産党を除く各党で分け取りするものです。今年の助成対象は自民党はじめ九つの政党、総額は320億円あまりになります。国民には消費税増税を押し付けながら、これらの政党は相変わらず税金から助成金を受け取って恥ずかしくないのか。国民に負担を押し付ける消費税増税政治のもとで、政党助成金だけは温存とは許されません。

日本共産党は受け取らず

 自由民主党157億8366万円、民主党66億9288万3000円、日本維新の会32億9488万2000円、公明党26億3万7000円、みんなの党20億1337万2000円…以下、結いの党、生活の党、社会民主党、新党改革と続きます。九つの政党合計で、320億1433万4000円になります。18日には助成金の4分の1、80億円あまりが各政党に配られました。国民が消費税の増税に直撃され、1円でも切り詰めた生活を苦心しているさなかの、大盤振る舞いです。

 政党助成金は、国会議員が5人以上か、国会議員が1人以上で直近の国政選挙の得票率が2%以上の政党に交付されます。半額は国会議員数に応じて、半額は得票数に応じて配分がきまります。昨年の参院選挙で自民党の議席が増えたので、今年の助成額は自民党が7億円以上ふえ、民主党は10億円以上減りました。

 政党はもともと、思想や信条、主義・主張などにもとづいて自由につくられるもので、国民がその政党を支持したり応援したりするのも自由です。政党支持にかかわりなく国民から一律に税金をとりあげ助成金を配るというのは、憲法が定める思想・信条の自由に反し、助成の対象になる政党を選別するのは結社の自由に反します。政党助成制度ができたのは20年前の1994年ですが、日本共産党はそのときから憲法に違反すると、政党助成金の受け取りを拒否してきました。受け取りを続けた各政党の責任が問われます。

 政党助成制度ができたのは、企業献金による政治の腐敗が目にあまり、企業献金を廃止し、その代わり政党財政を一部、税金で支援するのがたてまえでした。ところが企業・団体献金はいまだに続きほとんどの政党が企業献金と政党助成金の“二つの財布”を持つ状態です。しかも政党助成金への安易な依存が党費や個人の寄付金など政党の自前の財政を弱めており、自民党が約6割、民主党が約8割など、財政のほとんどを助成金に依存する状態です。政党助成金に大義がなく、政党にとって有害なものなのは明らかです。

「身を削る」というなら

 民主党政権時代、自民、公明が協力して消費税の増税を決めたとき、これらの党は「身を削る」と主張しました。「身を削る」というなら民意を締め出す議員定数削減ではなく、税金分け取りの政党助成金を廃止するのが筋です。

 安倍晋三政権は来年10月からは消費税の10%への引き上げを予定しています。増税政治をやめさせるとともに、政党助成金を撤廃することが求められます。