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下村博文文科相がネット上で文科省作成の道徳教材『私たちの道徳』を家に持ち帰っているか調査を呼びかけた問題が27日の参院文教科学委員会で取り上げられました。日本共産党の田村智子議員の質問に文科省の前川喜平初等中等局長は、『私たちの道徳』は文科省の各教育委員会に対する指導・助言の資料であり、教員には使用義務がなく、持ち帰らせるかどうかの義務もないことを明言しました。下村氏も「義務づけているわけではない」と認めました。全国の小中児童・生徒分1077万冊が配布されています。
下村氏は12日、交流サイト・フェイスブック(FB)で「学校に置きっ放しにさせている学校があることが判明した」「子どもが持ち帰っているか調べて」「文部科学省として指導したい」と“持ち帰り”が義務であるかのように書き込みました。
田村氏は、最高裁判決(1976年)もあげて、「教材として使用するかどうか、持ち帰るかどうかは教員の裁量に属する。国は強制できない、憲法上の原則だ」と強調。FBに「違法違憲な教諭は懲戒してもらわないと」など学校や教員を中傷する書き込みが多数あり、「まるで監視社会だ」「誤解を広げている。是正すべきだ」と述べました。
下村氏は、「必要数を問い合わせて配布した。10億円以上かかった」といって「活用をお願いするのは当然だ」と釈明しました。
これに対し田村氏は配布数量について、文科省が「該当児童生徒数にかい離した数にならないよう」にと各県教委に調査を求めた数字であり、必要数ではないと指摘。「自作自演だ。国が教材を自画自賛で学校現場に押し付け、その使い方まで監視する。憲法で守られている教員の自主性を踏みにじることは許されない」と批判しました。