NHKで放送が始まった政見放送で、自民、民主両党とも消費税の10%への引き上げについて一言も触れておらず、争点隠しの姿勢が浮き彫りになっています。

 安倍首相は「民主主義の原点は税制」だとして「信を問わなければならない」といって衆院を解散したのに、政見放送では消費税に何の言及もなし。景気悪化を招いた元凶である消費税増税問題を争点から外して、選挙が終わったら信任を得たとして10%増税を断行する構えです。

 一方で、自らの経済政策「アベノミクス」について、「まだ実感がない」などの声は「十分承知している」と述べつつも、「続けていけば必ずや実感をお届けできる」と売り込んでいます。

 アベノミクスがつくり出した異常な円安で「円安倒産」まで出ているのに、「自民党が政権に復帰して以降、行きすぎた円高は是正された」(有村治子女性活躍担当相)などと的外れなやりとりをしています。

 民主党も、「アベノミクスの失敗隠しの解散だ」と批判していますが、「増税不況」を招いた消費税増税に一言もふれていません。民主党政権時代に消費税増税のレールを敷き、自民、公明と「3党談合」で強行して増税不況を招いた責任が問われるからです。

 また、野田政権時代に国民の反対を押し切って原発の再稼働を強行しておきながら、「安倍政権は(再稼働を)強行しようとしている」と批判しています。

 「流れを変える」と何度も強調するものの、安倍暴走政治を変える足場がないことを示しています。